韓国珍島沖で沈没した旅客船の事故で、ダイバー500人以上、船舶170隻を投入し大規模な救助が行なわれているが、潮流が早く海水が濁って視界が悪いため、いまだ271人もの乗客が安否不明のままだ。死者は25人にのぼっている。あきれる事実も明らかになってきた。、船長以下乗組員たちは乗客の避難誘導そっちのけでいち早く船から脱出していたのだ。
救命いかだも投下せず
大きな衝撃音の直後に船が傾き始めたのは16日(2014年4月)午前8時50分ごろで、、その2時間半後にほぼ沈没状態になったが、時間はあったのに多くの乗客が逃げ遅れたのは、避難誘導がきちんと行われていなかったからだ。救助された複数の乗客は船が傾き始めたとき、「そのまま動かないで下さい」という船内アナウンスを繰り返し聞いている。アナウンスが「船内に待機せずに海に飛び込むように」と変わったのは1時間半後だ。
ところが、韓国メディアによると、救助された乗組員は8時50分に救助要請を発信した直後に、「脱出しろと連絡があり脱出した」と証言している。その30分後には船長自ら船外に出たという。大半の乗客は船内に置き去りにされたわけだ。
司会の羽鳥真一「船長、乗組員が乗客よりも早く逃げるってありえるんですか」
東京海洋大大学院の渡邉豊教授は「大変よろしくないと思う」と次のような国際取り決めがあると説明した。「すべての国は海上人命安全条約という国際条約に基づいて船舶を運行しています。そこで明確に規定されているのは、旅客船の場合、乗客の生命の安全を最終的に確認するまでは船長はもちろん、乗組員も船を離れてはならないとなっています。今回、沈没までにかなり時間があったので、救命いかだをばらまけば100人や200人は助けられたと思います」
旅客船の運航のズサンさには驚く。