ついに小保方晴子さんのケビン・コスナーが4月16日(2014年)に登場した。『週刊文春』(3月27日号)で「小保方晴子さん乱倫な研究室」でこう書かれた人だ。<疑惑が浮上し始めてから、笹井(芳樹=筆者注)先生は『僕はケビン・コスナーになる』と語っていたそうです。ケビン・コスナーが主演した『ボディガード』のように、小保方さんを守り続けるという意味なのでしょう」(理研の元同僚)>
笹井氏は『ネイチャー』誌の論文の共同執筆者だから、記者会見は注目を集め3時間にも及んだ。冒頭、論文に関して疑惑を招く事態となったことは申し訳ないと謝り、信憑性に疑惑を持たれた小保方論文は撤回するほうがいいといった。だが、自分はあくまでもアドバイザーであり、小保方さんとSTAP細胞研究の中心的役割を果たしたのは若山照彦・山梨大学教授だと、責任転嫁ともとられる発言に終始した。
態度、口調はさすがエリート科学者と思わせるものがあり、記者たちの不躾な質問にも嫌な顔ひとつせず丁寧に答えていた。そして、核心のSTAP細胞はあるのかという質問には、「合理性のある有望な仮説だと思っている」と、口調は柔らかいがハッキリと言い切ったのである。
病院で聞いていたオボちゃんは「やった!」と喝采を送ったのではないか。オボちゃんの援護射撃はこれだけではなかった。この時期、STAP細胞の論文の主要著者である米ハーバード大チャールズ・バカンティ教授も来日していたのである。京都で講演するためだったそうだが、彼は「(STAP細胞の)発見全体を否定するような決定的な証拠がない限り(論文を=筆者注)撤回すべきだとは思わない」とコメントしたという。オボちゃんに「ハーバードに帰っておいで」とエールを送ったというのだ。小保方晴子のジジイ殺しのテクニックはただものではない。
小保方晴子・笹井芳樹コンビ「中心的役割を果たしたのはあの先生」
今週発売の各週刊誌もこの問題を取り上げてはいるが、今までとは大差ない。やや変わったところで、週刊文春が2010年にノーベル化学賞を受賞した根岸英一氏に小保方は研究者として失格だと厳しい意見をいわせている。
<「科学者が間違いをおこすことは当然あります。その場合は、正直に間違いを正すというプロセスが科学にはあり得るわけです。しかし、多少でもそれ(間違い)が意図的に行われたとしたら、科学の世界では犯罪です。科学者失格なのです。
小保方さんには論文のコピペ疑惑も出ています。科学では、コピペしたら、それはもう偽造です。私は何十年もの間に何百本もの論文を書いてきましたが、コピペなど微塵も考えたことはありません。
偽造は嘘つきですから、もしそれがはっきりしたら、彼女は科学者としては失格だと思います。そういう方は最初から研究してはいけない人間だと」>
さらに、小保方さんが「STAP細胞は200回以上成功しています」と明言したこともこう批判する。<「ならば公衆の面前で実験してみせればいい。(中略)どんなに複雑な実験であっても、再現できない実験だったら公表することは許されないのです。
再現できないということは、間違いか意図的な嘘のいずれかであるはず。そして、意図的な嘘だったとすれば、彼女の科学者としてのキャリアは終わりなのです」>
そして週刊文春は、小保方さんの会見でのこの発言を責任転嫁だと難じるのだ。「『STAP幹細胞』につきましては、ちょっと私は苦手としていて、若山先生は非常にお得意とされていて、現存するSTAP幹細胞はすべて若山先生が樹立してくださったものです」
これはすべては若山先生がやったことで、私は細胞が200回緑色に光ったのを確認しただけで、後は若山先生たちにやっていただき、論文の筆頭著者の地位は私がいただきましたといっているのと同じだというのである。
先にも書いたように、笹井氏も会見で、私は最終段階のチェックだけで、それまでは若山先生がやっていたと、暗黙の内に責任は若山先生にあるとした。これは小保方さんと笹井氏が意図してやっていることなのだろうか。
その若山氏は疑惑が浮上した後、「小保方と笹井氏が二人三脚で研究や論文を仕上げていく過程で、完全に除け者にされていた」と語っているのだ。若山教授は週刊文春によると心労からかげっそりやせていて、「何も話すことはない」といって足をふらつかせながら去って行ったという。