スマホのアプリを遠隔操作して、元交際相手の女性の行動を監視していた男が逮捕された。容疑は「不正指令電磁的記録供用」という、普通はコン ピューター・ウイルス犯罪に適用されるものらしい。にしても、スマホ・アプリでどうやって? これがとんでもない機能をもっていた。
広島市の中学教師!被害女性まったく気付かず
先週木曜日(2014年4月10日)に逮捕されたのは、広島県の東広島市立安芸津中学校の中川省志教諭(43)。昨年7月、以前交際していた女性のスマホに無断でアプリをダウンロードして、パソコンでスマホから音声、画像、位置情報などを得て女性を監視していた。
このアプリはスマホを紛失した時に役立つというのが本来の目的で、スマホの音声取得、カメラ、位置情報機能をパソコンで把握して探しだすものだ。つまり、パソコンから遠隔操作ができる。中川はこれを悪用して2か月間に女性の音声記録666回、通話履歴確認399回、位置情報検索を35回行ったほか、写真・動画の撮影やデータ削除もおこなっていた疑いがある。
昨年2月に、「盗難防止のため」として女性の了解のもとにアプリをダウンロードしたが、女性が個人情報が漏れていることを不審に思って、7月にスマホの機種を変更した。中川は女性のスキをみて再びアプリをインストールしていた。女性が11月に警察に相談して事件が発覚したが、女性はアプリに気づかなかったという。
試してみると…現在地、通話内容、カメラ映像バッチリ
アプリをインストールすると画面にアイコンが出るが、これも消すことができる。紛失したスマホを手にした人にアプリを気づかれないためで、 これも遠隔操作で設定できる。このアプリがどれほどの威力をもっているかを、「スッキリ!!」の西村綾子レポーターが試してみた。スタッフにスマホを持たせて都内を移動すると、位置情報でどこにいるかがバッチリわかる。西村が「あ、錦糸町の駅前ですね」という。地図の上を移動するフタッフの位置が赤線でトレースされていた。
そこで音声をとってみると、撮影ディレクターと打ち合わせている声が入ってきた。カメラで映像を撮ってみると、スタッフを撮影しているディレク ターの姿があった。実際にテレビカメラで撮った映像・音声とピタリ。スタッフはスマホが作動していることもわからなかった。
なんでこんな機能がうまれたのか。専門家によると、ウインドウズはパソコン操作のサポートを遠隔で行っていたが、秘密が漏れる心配があり、1990年代に、「自分で管理した方がいい」ということでできたのがこの種のアプリだという。いろんな種類がある。
司会の加藤浩次「こういうことができるんですかあ」
キャスターのテリー伊藤「もともとは善意でできたものなんだよね」
加藤「どうしたら悪用を防げるんでしょうか」
西村が上げたのは次の3つ。(1)他人に触らせない(2)ロック・パスワードをかける(3)不明なアプリがないかをチェック。さらに他人から操作されている心配があるときには初期化すればいいが、西村は「初期化する前に電源を切って警察へ」という。
加藤「それはむずかしいな」
宮崎哲哉(評論家)「便利だけれど、そういう機能をもっていることを自覚すべきでしょうね」
テリー「認知症の人の様子を把握できるとか、便利な面もある」
もうスマホから逃れることはできない。となれば、最後は自分で対処できないといけないということか。