STAP細胞の大本となるコンセプトの提唱者であるハーバード大学のチャールズ・バカンティ教授はきのう15日(2014年4月)、京都で開かれた学術会議で講演した。「とくダネ!」によると、STAP細胞には触れないと語っていたが、内容の3分の1はSTAP細胞についてで、歩けなかったイヌがSTAP細胞で歩けるようになったとも話したという。
STAP細胞の証拠は示さず
思い起こせば、1月下旬のSTAP細胞の発表のときも、教授率いる研究チームからオドロキの情報が日本のマスコミを通して続々と伝えられた。脊髄損傷で動けないサルにSTAP細胞を入れたら足を動かせるようになった、あるいは歩けるようになった。それにヒトからもSTAP細胞かもしれないモノができた――という内容だった。
外でもない筆者自身もワイドショーを見てそうした情報をうかうかと流布したのだが、それからわずか1、2か月で、STAP細胞の株はSTOP安まで下がり、実在までが疑われるようになった。STAP細胞でサルやイヌが治せるならば、バカンティ教授がSTAP細胞そのものの確たる証拠を(愛弟子のためにも)出してくれても、よさそうなものではないか。
なぜそうしないのか。やはり、米国が成果を一人占めするために日本側に情報がもれないように隠して、こっそり開発を進めているからなのだろうか。うかうかと敵の手に乗って日本がSTAP研究をやめたらば、わが国の大失策、大失態になってしまうのだろうか。そういう可能性もなくはないのだろう。STAP研究を続ければ、もしそれがまったく再現できないとしても、なぜアヤしい研究に人やカネが集まり、続くのかといった社会学的、心理学的研究には大いに貢献できるはずだ。