今年のピュリッツァー賞がきょう15日(2014年4月)午前4時に発表され、ジャーナリズム部門・写真賞では、昨年のボストン・マラソンを狙ったテロで両足を失った青年の1年を追った一連の写真が受賞した。写真で両足をなくした男性が病院のベッドに仰向けで両手をひろげている。1か月後にリハビリに励んでいるシーンだという。
両足失ったランナーのリハビリ1年を追った10枚組写真
ところが、「スッキリ!!」が放送した写真は1枚だけ。受賞者の名前も詳細も伝えない。午前4時の発表で、8時からの本番ではいかんせん間に合わなかったのだろう。あらかじめ準備していた過去の写真とピュリッツァー賞の曰く因縁ばかり流す。
「報道のアカデミー賞といわれ、権威ある」で、新聞王ジョセフ・ピュリッツァーが「ジャーナリズムの質の向上のために」と1917年に設けたとお決まりの説明がナレーションで流れる。ピュリッツァーの持っていた新聞が「イエローペーパー」だったという皮肉には触れない。
賞の運営はコロンビア大学ジャーナリズム大学院がやっていて、報道部門は社説や調査報道、特集写真、速報写真などがあり、報道のほかは文学、音楽部門がある。対象は米国内で報じられたもの。
これまでに日本人記者・カメラマン3人が受賞
これまでに日本人は3人が受賞している。毎日新聞の長尾靖記者が撮影した「浅沼暗殺」はUPIでアメリカに配信され、他の2人の沢田恭一、酒井淑夫は外国通信社の所属だ。いずれも60年代である。
「硫黄島の星条旗」(1946年受賞)、「浅沼暗殺」(61年)、「ハゲワシと難民少女」(94年)、「不倫騒動のクリントン大統領夫妻」(99年)、「9・11テロ」(02年)、「ミャンマーの日本人記者殺害」(08年)と続く受賞写真はやはり迫力がある。
キャスターのテリー伊藤「いまみんな携帯で撮れる時代だけど、1枚の写真のすごさがありますね」
司会の加藤浩次「動画よりもインパクトがあったりしますよ」
東大教授のロバート・キャンベルがピュリッツァー賞を説明したが、そのなかでようやく今回の受賞写真に話が戻った。「写真は10枚あって、ニューヨークタイムズに載りました。全部見せたいところですね。バウマンさんという20代のランナーが被害にあって、リハビリする姿や義足をつけてガールフレンドに支えられて社会復帰するまでの10枚です。この夏には、子どもが生まれるそうです」
テリーは「浅沼暗殺を見たのが12歳の時で衝撃だった」などと話しはまた飛び、撮影者が誰なのか、つまり受賞者の名前は出ずじまいだった。どうかしてる。