これから4月9日は「小保方晴子記念日」と呼ばれることになるのではないか。そう思えるほど、きのう9日(2014年4月)午後1時からの会見は日本中の注目を集めた。
私見だが、3時間近くにわたった会見の印象をひと言でいうと、「女はすごい」ということに尽きる。彼女に比べると、先に謝罪会見した佐村河内守氏など可愛らしくて抱きしめてやりたくなる。佐村河内氏も髪を切ったりひげを剃ったりして『好印象』をアピールしようと一生懸命だったが、気に入らない質問に声を荒立てるなど、腹が据わっていなかった。
小保方晴子は違った。この日のためにシェイプアップしたかのように引き締まった(やつれた?)小顔。薄めの化粧に地味なスーツだが、その分、彼女の顔はテレビ映えする。髪はホテルの部屋に理容師を呼んでセットしてもらったそうだ。出陣前の身支度としては完璧である。
最初の6分間に及ぶ謝罪は、事前に会見に来た報道陣には配られていたらしいが、原稿を読まずに話したのには『感動』させられた。彼女が話している間、私を含めた多くの男は「STAP細胞なんて嘘でも何でもいい。許しちゃう」、そう思って見つめていたのではないか。どうやら会場に来ていた大勢の報道陣も彼女の色香に当てられて、肝心要のことを聞かずに枝葉末節の質問に終始していた。
彼女が説明責任を果たさなくてはいけなかったのは、「STAP細胞作りに成功したのか否か」であったはずである。そして、彼女は「STAP細胞作りには200回以上成功している」と断言したのである。いつでもどこでもとはいわなかったが、場所と設備があればやってみせるといい切ったのだ。
そこを衝かずに、「週刊誌に不適切な関係があると書かれていますが」などというしょうもない質問をぶつけるだけで、彼女がいいよどむと、佐村河内のときのように、さっきそういったのに前言を翻すのかという突っ込みもなく、インタビューの常道である圧迫的な質問もほとんど出なかったのは、不甲斐なくて聞いちゃいられなかった。
涙と笑いを振りまいたオボちゃんのショータイムは、肝心要の疑問は残されたまま、彼女の絶品の演技の余韻を残したまま幕を閉じてしまったのだ。
理研側の弱点「野放図なカネ」何百億円の税金使い切れず1000万円の高級イタリア家具
きょう発売(4月10日)の『週刊新潮』も『週刊文春』も、小保方晴子「疑惑」を取り上げている。週刊文春の中で精神科医2人が小保方さんをこう評しているのが興味深い。2人とも小保方さんには会っていないので推測だがと断っている。
<「彼女には、自分は絶対に称賛を集めるんだ、という確信が若い段階からまず先にあって、そのためのひとつの手段としてSTAP細胞に飛びついたのではないでしょうか。ですから、悪気があって捏造したという意識はなく、STAP細胞ができたという錯覚に今も陥っているのではないでしょうか」(精神科医の香山リカ氏)
「小保方さんは演技性パーソナリティの可能性が高いのではないか。彼女の研究倫理のなさが厳しく指弾されるなかで、昂然と不服申し立てをするという『理不尽なズレ』も、そう考えると説明がつく。研究も成果発表も反論会見も、全て彼女の自己演出の手段なのではないか。そういう意味では彼女に『作為』はあっても『悪意』はなかったように思います」(精神科医の熊木徹夫氏)>
週刊文春では、小保方晴子さんの上司で理化学研究所CDB副センター長の笹井芳樹氏と、同じ理研で網膜再生医療開発プロジェクトリーダーを務める高橋政代氏が京都大学医学部で一緒で、高橋氏はマドンナで笹井氏が心を寄せていたのに、同じ大学の男子学生に彼女を奪われてしまったという「因縁話」を書いている。
この男子学生が現在、京都大学でiPS細胞研究所教授の高橋淳氏だというのである。笹井氏は失恋の痛手から立ち直り猛勉強をして36歳の若さで教授まで上り詰めた。そしてES細胞を神経細胞に分化させることに成功し、ノーベル賞候補として脚光を浴びる。
だが、その「栄誉」を山中伸弥・iPS細胞研究所長に奪われ、高橋氏もES細胞からiPS細胞に研究対象を切り替えたという。そうした失意のうちにあった笹井氏の前に現れたのが小保方晴子さんだったというのである。二人が親密だという噂はすでにあちこちで書かれているから、ここでは繰り返さない。
週刊文春が批判しているのは、理研の杜撰なチェック体制と野放図なカネの使い方である。理研は独立行政法人だから、実質的には国の完全子会社のようなもので、黙っていても毎年何百億円ものカネが入ってくるのだそうだ。予算を消化するために1000万円もする高級イタリア家具を購入したり、妻を助手にして月給を50万円も払っているケースがあるという。