「STAP細胞はあります」「200回以上作成に成功しています」
こう繰り返し強調した理化学研究所の小保方晴子チームリーダーの会見だったが、納得できる客観的なデーターの提示がなく、STAP細胞の有無についはかえって疑惑が深まる結果になった。
小保方氏は「再現実験で成功したところを研究室で大勢の方が見ている」「インデペンデント(第三者)で再現し成功した方もいます」「細かなコツをすべてクリアできれば必ず再現できると思っています」とSTAP細胞の存在を明言した。しかし、「そのコツというのをいま説明できないでのでしょうか」と質問されると、「それはちょっと…。次の研究にも大きく関わることですので」と言葉を濁した。成功した第三者の名前を尋ねられても「個人名になってしまい、あまりにも公になってしまうので」と明かすのを避けた。
了解取って名前明かせば「疑惑」晴れるのに…
タレントの松尾貴史「誠実に答えている印象は受けるが、客観性の部分で、例えば他にも成功した人がいたというのなら、その人の証言がキーポイントになるわけでしょ。自分の置かれている立場を考えられるのなら、その方の許可を取っておくぐらいは思いつかなかったのでしょうかね」
科学ジャーナリストの大朏博善氏は小保方氏の立場をこう推論する。「論文撤回して出直すのは一つの考え方だすが、それで彼女の立場はゼロになってしまう。今の状態からすると、研究者としての立場もなくなるかどうかに彼女は恐れに近いようなものを持っており、土俵際で頑張っている感じがします。研究者として続けさせて欲しいと訴えようとしたのがきのうの会見だったと思います」
東京大学医科学研究所の上昌広特任教授は「(再現に成功したという)人に理研がヒヤリングすれば再審査をするまでもなく、STAP細胞のあるなしの問題に関してはある程度分かりますね」という。
それが疑惑解明の突破口になるかどうかは、理研次第だ。