STAP細胞の論文が不正とされた問題で、今年1月(2014年)の発表会見以来報道陣の前から姿を消していた理化学研究所の小保方晴子氏(30)が、あす9日(2013年4月)午後、大阪市内で弁護士とともに記者会見することになった。捏造や改ざんがあったとする理研の最終報告書に対し、「悪意はなかった」として反論するとみられるが、ポイントはどこにあるのか。
故意の「改ざん」「捏造」か、「悪意はなかった」か
小保方氏は体調が悪く、きのう7日には大阪府内の病院に入院したが、きょう8日に理研に再調査などを求めて不服申し立てをして、あす9日の会見でしっかり自分の口から説明したいと言っているという。きのう、入院前に理研を訪れ、必要な書類を持ち出したという。
ニュース担当の井上貴博アナがけさ(4月8日付)の朝日新聞の「STAP『不正』悪意どう解釈?」という記事を示しながら、ポイントについて説明する。「記事にもありますが、研究における悪意とはいったい何を指すのか、小保方さんはどんな言葉で説明するのか、その解釈が焦点になります」
司会の齋藤孝が解説を加える。「悪意という言葉は、研究上の不正を指す言葉としては不適切かもしれませんね。むしろ、故意かどうかということなんです。故意によらないということをちゃんと根拠を持って示さないと、小保方さんは苦しくなります。悪意というと、強くなりますが、知っていながらやったのかどうか、これがポイントです。間違いの数が多かったり、見やすくしたりすることは、わかっていてやったのではと受け取られるということです」
実物を見せれば説得力あるが…
毎日新聞の元村有希子・編集委員は小保方氏の反論について次の点が重要だと語る。「実物の何かを持ってくることですね。取り違える前の本来載せるべきであった画像、それをいつ作成したものかというようなデジタル上の情報とともに、STAP細胞であるということを証明する何らかのデータ、あるいは根拠・証拠などを公開することが一番説得力があると思います」
STAP細胞が存在するかどうかについては、理研は「現段階ではあくまでひとつの仮説」として約1300万円の予算を投入し、今後1年間かけて検証実験をする。検証は論文にある方法と、それとは別の方法でも試みるという。しかし、実験には小保方氏は加わらず、実験ノートもデータも少ない中で検証は難しいのではないかという声もある。