チリ沖大地震「津波」けさ日本沿岸に到達!「あさチャン!」も内容変更して注意呼びかけ

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   南米チリ沖で起きたマグニチュード8.2の地震の影響で、北海道、東北から関東の一部にかけての太平洋沿岸や伊豆諸島、小笠原諸島に3日(2014年4月)未明、津波注意報が出された。朝方から午前中に高さ20センチから1メール前後の津波が到達するというものだ。「あさチャン!」でも、予定を変更してこのニュースを伝え、「津波の高さや到達時間はあくまで目安です。注意報が解除されるまで海や河口に近づかないでください」と繰り返し呼びかけた。

海底から根こそぎ水の塊が動く津波

   注意報が出ている地域の人はどんな注意が必要なのか。津波の怖さについてアナウンサーの井上貴博が地震や津波災害・防災のスペシャリストである群馬大学の片田敏孝教授に聞く。

「津波が通常の波とまったく違うのは、動くのが海面だけではないということです。津波は海底から根こそぎ波が動きますので、破壊力が大きくなります。波というより、大きな力を持った水の塊がいつもより1メートル、あるいはそれ以上の高さで押し寄せてくると考えた方がいいですね」

   司会の齋藤孝「1メートルを高さではなく、体積で考えたらすごいことになりますね」

難しい「遠地津波」予測…途中の島などで方向・高さ・スピード変化

   片田教授は遠いところから来る遠地津波の予測の難しさも指摘し、1960年のチリ地震津波をコンピューターの画面を使って説明する。「チリといいますと、地球の真裏で日本と約1万7000キロ離れています。チリで発生した津波は太平洋を広がりながらやってきますが、この時はハワイ諸島で屈曲して集約され、日本に照準を合わせるように進んできました。距離が長いものですから、途中にある島嶼部の影響を受けますので、高さや到達時刻が予測しづらいのです」

   津波は海が深いところではスピードが速い。陸地に近づいて浅くなると、急ブレーキがかかり、そこへ後から追い付いてくる波がかぶさり沿岸部で急に高くなる構造があるという。

   齋藤「台風や高波とは違いますね」

   片田「高波は波長、波と波の間隔が数メートルから数百メートルで、チャポンといったら、その後ろには何もないですが、津波は波長が数キロから数百キロに及び、一つのうんと長い波と考えた方がいいですね。加えて、海の底から水面までの水が全部まとめてやってくる。そういうイメージです。東日本大震災のときに、津波の真黒な水が見えましたが、あれは海底から巻き上げてきたからです」

   押し寄せてきた津波は街を破壊し、また強烈な力で引き返す。怖いわけである。片田教授は大震災で子どもたちの命を守った「釜石の奇跡」の立役者だが、「避難3原則」としてあげるのは(1)想定にとらわれるな(2)最善を尽くせ(3)率先避難者になれ、である。「常にいかなる事態もありうるというもとで、最善をつくすのみです」という。

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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