保身ばかりで最終報告に説得力なし
こうした食い違いについて、上特任教授は「理研の発表では小保方さんは納得できなかったと思います。確かに、捏造は認定されたが、理研の言い方では誰がどういう意図でやったかはっきりしません。ところが、すべて小保方さんがやったと、個人的な問題だと、残りは管理責任だけだという。彼女が自分だけ悪者にされて切られたと感じてもしょうがない」と理研の対応を批判した。
コメンテーターの萩谷順(法政大教授)「全面対決という感じになってしまったね。理研はいったいどうなっているのか。これまで説明してきたことと違う事を当事者が言っている。ガバナンス以前の問題ですよ」
科学ジャーナリストの大朏善博氏は理研の研究チームについてこんな話をした。「STAP細胞そのものが、小保方さんがテーマを持って理研に来たという性質のプロジェクトです。彼女が全面的な責任を負うべきだと言われたのは仕方がないと思います。
ただ、この研究は一種のリレー競技みたいなところがあるんです。得意なところを走って次の人にバトンを渡し、最後に結果を出す。それなら、それぞれの人が栄誉とか責任を持たなければならない。その点、果たして彼女の責任ですと言い切っちゃっていいのか、今後考える必要があります」
理研という研究機関内部に潜む保身の闇が少しずつ浮かび上がってきたような気がする。
文
モンブラン