5%から8%へ。17年ぶりに消費税率が引き上げられた。「モーニングバード!」は4月1日(2014年)午前0時の切り替え直前に、駆け込みでごった返す街の様子を追った。
JR新宿駅のみどりの窓口では、午後11時クローズまであと1時間というのに定期券を買う客で大行列だ。学生が多いという。月末の給料日と重なり、親からの仕送りをギリギリまで待っていたのだろうか。並んでいたら間に合わないと券売機に走るが、操作に不慣れで買えない客もいた。
高速道路の割引廃止や社会保険給付削減
東京・世田谷のガソリンスタンドにも車の長い列が続いた。消費増税に加えて地球温暖化税のダブル増税である。ガソリンの買い溜めはできないが、せめて満タンにというわけだ。このガソリンスタンドでは、午前0時きっかりに価格表示を張替え、レギュラーガソリンが1リットル当たり147円から158円になった。行列後尾にいた女性は「間に合いませんでした」と残念そう。このほか、スーパーやコンビニではスタッフが総出で値札の張替えにてんやわんやだった。
大騒ぎだった駆け込み需要もこれで終わり、次にやってくるのが国民への負担増大が及ぼす経済減速である。司会の羽鳥慎一は「4月から減速していくのでしょうか?」と心配する。
コメンテーターの岩上安身(ジャーナリスト)はこう話す。「消費税だけに目が行っているが、実はいろんなものが上がるんです。高速道路料金が平日の昼間や深夜はETC搭載車の場合、割り引きだったがなくなる。社会保険給付も削減されたりで重圧ですよ」
身を切る改革「国会議員定数削減」どこいった!
羽鳥「そもそも、何のための増税なのか。増税の税収5兆円は社会保障費に充てるといわれてますが、本当にそこへ使われるのかどうか」
岩上「消費増税で得た8割を厚生年金の国庫負担分に充てるといっています。これで余裕が出る一般財源が良いことに使われるならいいですが、よく見てると税金のムダ遣いが多いですよ。
不安なのは東京五輪の施設。メインスタジアムに3000億円、最終的には1兆円にいくのではないかといわれています。海外の開催国の過去の例では、五輪の施設建設のために軒並み不況になっているんです。ギリシャは国が傾いたし、北京五輪のあの鳥の巣は今や廃墟になっている。日本はこんな事やっていていいのかと思いますね」
舘野晴彦(月刊「ゲーテ」編集長)「なんとか5%のうちにと国民が四苦八苦しているのと、政治家、官僚とは温度差をすごく感じますね。国民に負担を強いるのだからと、国会議員の定数削減など身を切る改革を約束したはず。負担だけを強いており、おかしなことがたくさんあります」
消費増税さえ通ればあとはこっちのものというわけだろう。どさくさを利用するように、同時にさまざまな負担を強いる安倍政権は、1強多弱の政権をいいことにやる事が荒っぽすぎる。