日本政府も27日(2014年3月)、墜落したマレーシア航空機の残骸の可能性がある浮遊物を、オーストラリア・パース南西沖約2500キロ付近の海域で発見したと発表した。浮遊物は四角形で約10個。内閣衛星情報センターの情報収集衛星の画像解析で確認したとしている。しかし、浮遊物が確認されているのに回収作業は進んでいない。墜落したとみられる南緯40度付近は常に大荒れの海域だからだ。
機体発見、ブラックボックス回収不可能
2011年に作製されたドキュメント映像「吼える40度線」を見ると、次々と押し寄せる大波に日本のマグロ漁船は翻弄され、今にも飲み込まれそうだ。気象力学、海洋力学に詳しい東京大学・山形俊男名誉教授は、「墜落現場と思われるインド洋の海域は、秒速2メートル前後の渦を巻く海流が流れています。普通の船で近づくのは困難です」と説明する。
阿部祐二リポーター「これまで浮遊物が流されても1日20キロ程度だろうと思われていましたが、実際は100キロ以上でした。回収する船が現場に向かっても、確認現場とは違った場所に流されていると思われます」
「吼える40度線」を撮影した斉藤健次氏は、「通常でも、ビルの高さに例えると5階建ての高さの波が押し寄せてきます。太陽が見えるのも1か月に2日、3日あるかないか。厳しい天候状況です」と話す。
阿部「さらに、3月頃から偏西風の影響で海流は西から東へと流れを変えます。これがどのような影響を及ぼすのか心配されています」
機体発見もブラックボックス回収もほとんど不可能というわけだ。
文
ナオジン