「置くだけ」「首にさげるだけ」でインフルエンザ対策になるとバカ売れしている「空間除菌グッズ」には効果を裏付ける根拠がないとして、消費者庁はきのう27日(2014年3月)に表示変更を求める措置命令を出した。「ガマの油」商法は健在だったわけだ。
「ウイルス除去」「空間浄化」…誇大広告
命令は景品表示法に基づくもので、対象は製薬会社など17社の25品目。携帯型と据え置き型があるが、内容はどれも二酸化塩素だ。それ自体は除菌効果 があるものの、「生活空間を除菌する明確な根拠はない」と消費者庁は指摘する。「ポンとおくだけ! 浮遊するウイルス・菌・カビ・花粉・ニオイを除去」「空間除去! 瞬間消臭!」「置くだけカンタン除去」「身につけるだけで約1立方メートル以内の空間を浄化」…これらの文言が誇大広告に当たるという判断だ。広告もにっこり笑った女性の周囲にバリアがあるかのごとく、ウイルスや菌、カビなどがはじかれている絵柄になっている。
これを信じて購入した人は少なくなかった。とにかくバカ売れで、数億円を売り上げた商品もあったらしい。消費者庁の処分について街で聞いても、「ええ、効果ないの」「それは困るね」とみながっかり。都内の学童保育施設では、今冬に3個を置いたが、効果のほどを聞くと、「半分くらいがインフルエンザで休んだから、効果があったとはいえない」 と話している。冷静に考えてみれば、そんなに強力な効果があるのだったら、体の弱い人や乳幼児への副作用だって心配しなくてはならないだろう。
「とくダネ!」出演者みんな買ってた!
司会の小倉智昭「こういうものは、みんなで『いけいけ、そうれ』となっちゃうんだろうな。この手のものを首に下げたり、部屋に置いたりした方はいますか」
手を挙げたのは笠井信輔キャスター、菊川怜キャスター、梅津弥英子レポーター、コメンテーターのショーン・マクアードル川上(経営コンサルタント)。笠井は「3つくらい置いてある」
ショーン「事務所に置いてありました。最近は病気モンガリ(たきつける)の行き過ぎが多すぎますよ。売り上げのためでしょうけど」
小倉「怜ちゃんも、消臭効果とかを期待していたの」
菊川「消臭と除菌。首掛けのを見て、こんな夢のようなものがあるんだと思って使ってました」
小倉「インフルエンザにはかからなかった」
菊川「ええ、でも因果関係はわからない」
小倉「効果はわかっても、科学的に証明できないと宣伝文句には使えない。昔に比べると誇大広告はなくなりましたけど」
使わなかった深澤真紀(コラムニスト)は「塩素のニオイが臭かった」(笑い)
ピークを過ぎたとはいえ、インフルエンザ患者はなお114万人という。横綱白鵬やきょう28日開幕のプロ野球選手にも感染者が出ているそうだ。まあ、必勝祈願なんていう気休めよりは、「置くだけ」の方が効果があるのは間違いない。