8億円の借り入れ問題でみんなの党の渡辺喜美代表は27日(2014年3月)に釈明会見し、「純粋に個人として借りたもの」で、政治資金や選挙資金ではないと強調した。
化粧品大手「DHC」の吉田嘉明会長(73)から2010年の参院選直前に3億円、12年の衆院選直前に5億円、計8億円を借りた。渡辺は「(吉田会長は)選挙の費用で貸したとおっしゃられているようだが、私は個人を応援して下さるという趣旨のお金と理解してました。したがって、当然のことながら違法性の認識はまったく持っていない」と開き直った。
「猪瀬さんとは違う。私は現ナマでなく銀行振り込み。証拠が残る」
8億円の一部は返済されたが、まだ5億5000万円が借り入れたままになっており、本来なら資産報告書(12年12月時点)に記載されるべき借金だが、報告書には借入残高は2億5000万円しかない。この点を質問されると、「事務的ミスで訂正をさせてもらおうと思っている」と答えたが、事務的ミスで5億5000万円の記載漏れとはずいぶんなどんぶり勘定である。
挙句に、猪瀬前都知事の借入疑惑をひきあいに出して、「私のほうは現金でドカンともらったわけではない。銀行振り込みで、あとからトレースできる形で行なわれている。裏金ではない」と強調した。
元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士はこう批判する。「極めて不自然な話で、にわかに信じがたいですよ。現ナマも銀行振り込みも基本的に変わりません。選挙直前とか個人的借り入れを主張するとか、猪瀬さんと構図が極めて似ている」
毎日新聞論説委員の与良正男「個人的借り入れと言い続けるしかないんですよね」
若狭弁護士がさらに次のような見通しを語った。「おそらく市民団体の人が告発してくるでしょう。それを特捜部など捜査機関が受理して本格的な捜査に入り、口座に入ったお金が個人的なものに使われたか、政治活動に使われたか、あるいは選挙費用にも使ったのか、捜査していくと思います」