「ユニクロ」大量正社員化の落とし穴!いよいよ長時間になる勤務、クビ切り乱発…
ほんものの若者たちは大学時代をまるまる潰して就活をし、やっと入った企業で長時間労働や過重な負担を強いられ、パワハラなどで精神的に追い詰められて自主退職に追い込まれるケースが後を絶たない。そんなブラック企業の代表格ユニクロが1万6000人のパート・アルバイトを「正社員化」すると発表したが、『週刊現代』は「それって、いいことなの?」と問うている。
社員化には落とし穴があるのだ。現在、現場の店長には「売り上げの増大」と「人件費の管理・削減」という難題が要求されている。ユニクロは「正社員化」される人々が納得できるような賃金アップをするつもりはあるのだろうか。また、賃金がある程度上がったとしても、それに見合わないほどの過重なノルマが課せられるようなことになっては「幸せ」とは到底いえないだろうと週刊現代は書いている。
ブラック企業被害対策弁護団の代表を務める佐々木亮弁護士がこう語る。<「現状の報道だけ見て、『立派な判断ですね』とは言えません。正社員化によって生み出されるのは、残業やノルマが増えただけの『名ばかりの正社員』という可能性もあるからです。
柳井さんは正社員化の方針と同時に、『販売員には今の効率の2倍を求めます』と述べていますね。これまで店長が担っていた責任が、新たな正社員にも降りかかり、労働強化が行われることが容易に想像できます。そもそもユニクロは長年、長時間労働が問題視されてきました。その是正が同時に図られるのでしょうか」>
働き手の仕事量や責任が増えるだけでなく、正社員化はクビ切りをしやすくする方策でもあると週刊現代はさらに追及する。<すでに安倍政権は、仕事内容や勤務地などが限られた限定正社員を増やすことと、雇用ルールの見直しをセットで議論している。企業が各地の店舗や工場を廃止する際、そこに勤める正社員を簡単に解雇できる仕組みを構築しているとも言えるのだ。
いともたやすく解雇される正社員――。これではパート・アルバイトが「限定正社員」と呼び名が変わっただけではないのか。
呼び方が変わっただけならまだいい。正社員であるばかりに、パート・アルバイトとは異なり、サービス残業がごく自然かつひそかに課せられる可能性だってある>
ユニクロを3年以内に辞めてしまう正社員は約半数、10年内離職率は8割を超えるといわれる。休職中の社員の中にはうつ病などを病んでいる者が4割もいるというデータもある。ワタミと並び称されるブラック企業が、その汚名を晴らすのはそう容易いことではないはずだ。柳井正社長は正社員化が社員の幸福に結びつくことを、社員の前でわかりやすい言葉で説明し、実践して見せなくてはならないはずである。