STAP細胞論文をめぐる疑惑がとうとうSTAP細胞そのものにまで及んだ。理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーが共同研究者の山梨大の若山照彦教授に提供した細胞から、実験に使われていたマウスとは異なる遺伝子が検出されたのだ。別の細胞を提供したとなると、単なるミスとは言えない。
理研の責任重大!「不正の真相解明と関係者処分」
若山教授の担当は、小保方さんが提供したSTAP細胞から特殊なマウス(キメラ)を作ることで、万能細胞だと証明することだった。だが、実験の過程で若山教授は論文の手順に疑問をもち、論文取り下げを訴えるに至った。さらに、小保方さんから受け取って冷凍保存していた細胞の遺伝子解析を行ったところ、「129」と呼ばれるマウス由来のはずが、別の系統のマウスのものだとわかった。
「129」は若山教授が小保方さんに提供したもので、小保方さんがそこからSTAP細胞を作ったとされていたものだ。これが別のマウスのものだとなると、話は根底から崩れてしまう。単なるミス、取り違えというより意図的なねつ造のニオイがしてくる。
解析でわかったマウスはES細胞をつくる際によく使われるマウスで、研究者の間では当初から「STAP細胞はES細胞ではないか」「ES細胞の混入」がささやかれていた。ES細胞は受精卵から培養して作る万能細胞だが、STAP細胞との違いを見分けるのは難しいという。
『日経BP』の宮田満・特命編集委員は「ここまで来たら、どういう不正が行われたのかを明らかにして関係者を処分し、不正防止策を公表するのが理研の責務ですよ」との厳しいコメントを寄せた。
司会の小倉智昭「宮田さんが『不正』といったのは初めて。彼にもショックだったのでは。論文取り下げとは別の話になってしまいました」