「マレーシア航空370便はインド洋上で飛行を終えました」
マレーシアのナジブ首相は日本時間24日(2014年3月)午後11時、緊急会見して初めて墜落したと発表した。しかし、その根拠は漠然としたものだった。「イギリスの人工衛星の情報を分析した結果、マレーシア航空機はインド洋の南東、パースの西付近で消息を絶った。着水するには不可能な場所であり、誠に辛いことですが、海の底に沈んでしまったと言わざるを得ません。生存者はないと考えるべきです」
イギリスの情報の中身は公表されず、どういう根拠で墜落と判断したのかは不明のままだ。故障によるものなのか、テロなのかさえ分からず、226人の乗客と13人の乗務員は全員絶望と断定された。
乗客の家族「バカヤロー」「嘘つき」
航空評論家(元全日空機機長)の前根明氏によると、「イギリスの事故調査委員会の能力が高い事は知ってまして、つかんだ情報は9割がた間違いないと判断したのだと思います」という。
それにしても断定した根拠が弱過ぎる。乗客の多くは中国人で、北京のホテルで2週間以上も待ち続けた乗客家族は、「マレーシア航空のバカヤロー。嘘つき」と怒りのぶちまけ、やり場のない怒りから報道陣にペットボトルを投げつける男性もいた。
三屋裕子(スポーツプロデューサー)「納得できないですね。分からないことやナゾが多すぎますよ。17日間も情報を小出しにたので、変な憶測とかも多かった」
潟永秀一郎(『サンデー毎日』編集長)はこんな見方をする。「航空管制はいまだにレーダーが主体ですが、アメリカは2020年をメドに衛星に切り替える方針らしい。レーダーだと空白地帯が出るが、衛星なら地球全体をカバーできる。今回を地球上のどこを飛んでいても捕捉できる体制に向う契機にしないと、また同じことが起きると思います」
マレーシア当局は25日に再び記者会見を行い、詳しい内容を話すとしているが、墜落と判断したきちっとした根拠、消息を絶った機体の捜索、事故なのかテロなのかを検証するボイスレコーダーの回収をどう進めるのか、きちっと説明する必要がある。