いまひとつピンとこなかった大阪市長選に有権者が審判を下した。むろん票数では橋下徹氏(44)の圧勝だったが、投票率23.59%は過去最低、無効票が13%あって、うち白票が9.04%、4万5098票で「次点」となる異様な結果だった。橋下は勝利宣言どころか姿も見せなかった。
「次点」は白票の4万5098票という異様
橋下は37万7472票で、他の3候補は3万票以下だから問題にならないが、前回2011年の府知事選とのダブル選挙では75万票をとっているから、半分以下だ。投票率の低さは政令指定都市の首長選では6位になるが、平成になってからでは最低である。
今回の選挙は橋下が推進する「大阪都構想」が市議会野党の反対で動きがとれず、出直し選挙で民意を問うというものだったが、この論理がよくわからない。野党は大義名分がないと候補擁立を見送ったため、気の抜けた選挙になった。司会の小倉智昭は「(白票の多さは)橋下さんに対する抗議の気持ちも含まれてるんじゃないの」というが、「棄権の意思表示 だった」(田﨑史郎(時事通信解説委員)というのが本当のところだろう。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト