Jリーグで初めてという無観客試合「浦和レッズ・清水エスパルス」戦が23日(2014年3月)に埼玉スタジアムで行われた。結果は1‐1の引き分けだったが、ゴールを決めても声援一つない異様な雰囲気に選手はむなしさを感じたようだ。
相手選手に差別ヤジ浴びせたりバス取り囲み
アジア最大級の6万3000人を収容できる埼玉スタジアムは、普段なら観客動員数は8年連続1位を誇るファンの声援で沸くはずが、この日はひっそり。スタジアム周辺も立ち入りが禁じられたために、屋台はもちろん警備員以外に人影もない。試合を終えた槙野智章選手は物足りなさを感じたのか、「サポーターに皆さんのリアクション、拍手、声援がない中でのプレーは非常に難しいものがあります」と感想を話した。
場外の飲食店でテレビ観戦していたサポーターからはこんな意見も出ていた。「いままで浦和サポーターが起こしたいろいろな事件を考えると、ちょっと(処分が)甘いかな」
2008年5月のガンバ大阪戦ではサポーター同士の衝突でケガ人が出る騒ぎとなり、09年6月にはテレビの中継スタッフに暴行を加え、傷害及び器物破損行為に問われた。10年5月のベガルタ仙台戦では相手選手に差別的な発言を浴びせ、13年8月の清水戦でも相手選手が乗ったバスに爆竹を投げつけ逮捕される騒ぎになった。計4回にわたり制裁金を課せられている。
見て見ぬふりで野放しにしてきたクラブ側
経済評論家の池田健三郎は厳しく批判する。「過去に何度もこうした事件が起きているのだから、相当な決意でリスク管理をしていかなければならないのに、その辺が曖昧だったような気がしますよ。それに会場の問題。埼玉県の所有で民間に貸しているのだろうけど、こんなひどいことをやれば、公共の秩序に思いっきり反しているので、貸し続けるにはできなくなる。今回はよくよく考えてもらわないと・・・」
欧州のフーリガンを思わせるような一部サポーターの行き過ぎた行為を、見て見ぬふりで管理できないJ1浦和のだらしなさに最大の問題がある。