ようやく春を迎えたのに今度は中国から歓迎しない客がやってくる。PM2.5に加えて黄砂。北京市で17日(2014年3月)に今年初めての黄砂を観測したことから、いよいよ日本への飛来が本格化する。ところが、PM2.5よりもさらに危険なPM0.5が九州など日本の各地で観測されているという。
黄砂も飛んできてダブル被害
PM0.5は中国の復旦大学・研究チームが「PM2.5以上に人体に危険を及ぼす物質」と警鐘を鳴らしている。大気汚染を研究する工学院大学の坂本哲夫教授によると、PM0.5は0.5マイクロメートル以下でスギ花粉の60分の1、黄砂の8分の1という超微細な物質で、成分は石炭を燃やしたときに出る硫酸塩とスス。排ガス処理が進んでいない中国で発生する有害物質という。
超微細のため、肺の奥深くまで達して肺胞から血液に入り込む可能性がある。産業医科大医学部の矢寺和博准教授は「心筋梗塞や狭心症の発作など、循環器疾患、心臓冠動脈疾患の障害を起こす」と警告している。
加えて、偏西風に乗って黄砂の来襲がこれから本格化する。黄砂はスギ花粉に付着すると花粉を傷つけてアレルギー症状を引き起こすアレルゲンを放出させ、喘息などの症状がより重くなる。
文
モンブラン