殺人ベビーシッター物袋勇治、複数の偽名使い分け仲介サイトにうその経歴

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   預かっていた子供を死なせ放置したとして死体遺棄で逮捕されたベビーシッター物袋(もって)勇治容疑者(26)は、「遺体を放置するつもりはなかった」と容疑を否認しているが、司法解剖で男児は発見前日の16日(2014年3月)ごろに死亡、死因は窒息死であることが分かった。神奈川・磯子署は口をふさがれた可能性があると見て、殺人容疑も視野に入れて調べている。

以前にも「顔腫れ背中にあざ」で戻ってきた死亡男児

   男児の母親は「ごめんねとしか言いようがないです」と涙ながらに話すが、物袋に預けた経緯はどういうことだったのか。普段は自分の父親に預けて仕事をしていたが、父親の都合が付かないときにベビーシッターに頼んだという。

「去年、インターネットでベビーシッター(の物袋)と知り合いになって預かってもらっていました。お金のこともあって、すぐに預けられる場所もなくて利用していました。いつもは下の子(生後8か月の次男)を預けていたのですが、上の子(死亡した長男)を預けたときに顔が腫れていたり背中にアザがありました」

   不審に思った母親は物袋との契約を中止し、今回は「ヤマモト」と名乗ったベビーシッターに委託した。「預ける際に別の男性が来たので分からなかったんです。物袋容疑者がヤマモトの偽名だったと知ったのは事件のニュースを見てからで、分かっていたら預けませんでした」と話す。

   物袋は昨年3月ごろから週1回ほど保育所に勤務し、昨年11月からインターネットを通じたベビーシッターの仕事を始めている。ネットの仲介サイトに「保育経験7年で300人」とウソを記載し、「ヤマモト」のほかに複数の偽名を使い利用者を募っていた。

片山善博(慶応大教授)「インターネットは子ども預けるのに向いていない」

   安い、便利という理由でインターネットを通じたベビーシッターを依頼する利用者は増えているが、認定制度もなく、1度に預かる子供が5人以下なら届け出の必要もない野放し状態だ。自治体が認定したベビーシッター業者に国と自治体が給付金を出す「子ども子育て支援制度」を、厚労省が来年4月スタートで検討している矢先だった。

   便利な反面、ウソも多いインターネット情報に安易に頼り、大事な子どもを託す親にも問題がある。片山善博(慶応大教授)「インターネット情報は子どもを預けるのには向いていませんよ。命にかかわることで、私には信じられない」と親の責任を暗に指摘した。ただ、弁護士の野村修也は「核家族化が進んでいるなかで、どうしようもない事情があって預けざるを得ないときに、預け先が社会に整っていない問題もあります。公にきちっと管理され、預けやすい環境を作っていくことが求められると思います」という。

文   モンブラン
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