インターネットの情報サイトを通して見も知らぬベビーシッターに預けられた子どもが死亡した。働く母親の増加とともに需要が増えているというベビーシッターだが、どこに落とし穴があったのか。
埼玉県富士見市のマンションの一室できのう17日(2014年3月)午前8時15分ごろ、2歳の男の子が死んでいるのが発見され、一緒にいた約8か月の弟とみられる男の子が保護された。警察はこの部屋に住む20代の男性ベビーシッターを死体遺棄容疑で逮捕状を請求し、捜査している。
公的資格・届け出不要。1時間1000円、1週間2万5000円
これまでの調べによると、横浜市磯子区に住む二人の男の子の母親はベビーシッターの紹介サイトを通してこの男性に依頼することにし、14日午後7時ごろ、別の男性を介して子どもを預けた。16日に引き取る予定だったが、連絡取れなくなり警察に相談して発覚した。男性は「16日昼過ぎに自分が薬を飲んで寝てしまい、翌朝起きたら死亡していた」といっているという。
このサイトは子どもを預けたい利用者が年齢、預けたい日時などを書き込み、これに応じたベビーシッターと交渉して契約する仕組みだ。利用者約1万人、シッタ―約5000人が登録しているという。サイトは両者を引き合わせるだけで、具体的なことは当事者同士で決めることになっている。あるマッチングサイトの例だと、料金は1時間1000円、1週間で2万5000円と一般のベビーシッターに比べて安いのが特徴のようだ。
ベビーシッターは保育士とは違い、国家試験など公的な資格は不要だ。全国保育サービス協会では独自の認定制度を設けているが、この男性はこうした民間の資格の試験を先月(2014年2月)受けたばかりという。
働く母親には便利でありがたいが…
司会の加藤浩次「子どもを預けた母親はベビーシッターと面識がなかったそうですね」
母親が知っていたのは名字とメールアドレスだけだった。キャスターのテリー伊藤は「横浜市の磯子区の子どもを埼玉県の富士見市の会ったこともない人に預けるということがまずびっくりです」と驚く。
ロバート・キャンベル(東大教授)「ベビーシッターは働く保護者のためには必要なものなので、認可や届け出がない現状はどうかと思います。もともとは隣近所でちょっと手伝ってもらうものというもので、アメリカの場合は赤十字が研修制度を設けて近所の人も参加しやすくなっています」
テリー「ベビーシッターの仮面をかぶった幼児趣味の人もいるかもしれない。親もしっかりしていないと。ホームページだけで判断しない方がいいですよ」
忙しいときや急な用事ができたとき、子供を預かってくれるところがあれば本当にありがたいが、便利に見える仕組みには落とし穴もありそうだ。