モンゴルで初めて孫と面会した横田めぐみさんの両親の横田滋さん・早紀江さん夫妻がきのう17日(2014年3月)に対面の様子を語った。「丸顔で同じ家系なのかという感情を受けました」「若いときのめぐみの感じによく似ているなと感じるところが多かったです。本当に奇跡的な日だった」
夫妻は感慨無量という面持ちだった。
飯島勲参与「外交カードとして失敗の策」
では、この面会が拉致問題解決への一歩となるのか。古屋圭司・拉致問題担当大臣が「朝ズバッ!」に出演して語った。「面会について北朝鮮も容認したわけで、進展していくということに期待を持ち、そういう方向に向ってあらゆる手段を尽くしていきたいと考えています。第三国でもいいですよということを言ってきたことは、ある意味で北朝鮮の熱意でもあり、どういうメッセージかわれわれもしっかり分析して対応していかなければならないと思います」
司会の井上貴博「飯島勲内閣府参与は『外交カードとしては失敗の策かもしれない』と言っていますが…」
古屋「いろいろな意見はあるでしょう。政府として、総理大臣として、あらゆるシミュレーションをしながら最終的に判断したわけです。思いつきでやったことではありません」
杉尾秀哉(TBS解説専門記者室長)「横田めぐみさんの消息に関して、政府としてつかんでいるのですか」
古屋「拉致問題解決のためにあらゆる手段を尽くすというのが政府に基本方針です。あらゆる手段にはインテリジェンスも含んでおり、いろんなチャンネルを使って拉致被害者の安否情報を取っています」
アメリカも中国も金正恩に厳しい姿勢―日本の助けに期待
杉尾「今回の面会が拉致被害者の帰国に一歩となるのでしょうか」
古屋「北朝鮮に明らかな姿勢の変化があるんです。金正恩(第1書記)になって、正直言って中は安定していない。アメリカが厳しい態度、中国も厳しい態度になっています。そういうときに日本にこれまでもメッセージを発信してきた。今回もそういうメッセージの一つなのでしょう。北朝鮮は焦っていると見ています」
杉尾「総理が独自に訪朝という話があるが、その可能性はどうなんですか」
古屋「初耳です。総理がいつも言っているのは、『拉致被害者を取り戻すための交渉ならどこへでも行く。交渉のための交渉はしない』ということです」
次の日朝間の展開としては次官級協議が予定されている。日本が現在行なっている対北朝鮮制裁の解除について、古屋は「拉致被害者が全員戻ることが大前提」というが、狡猾な北朝鮮の外交に立ち向かって実を取るか、難しい交渉が待っている。