マレーシアの航空当局はきのう16日(2014年3月)、消息を絶ったマレーシア航空機の新たな情報を発表した。「ハイジャックされた可能性も視野に乗客と乗員すべての身元を再調査している」とし、地上との交信が途絶えてから約7時間飛行してマレー半島を横断し、地上との交信手段であるエーカーズとトランスポンダーが何者かによって意図的に切られたと説明した。
何者かが切断!地上交信のエーカーズとトランスポンダー
元全日空機長で航空評論家の前根明氏はエーカーズとトランスポンダーについてこう説明する。「エーカーズはいわばメールのようなもので、地上の整備員にもその情報が直接伝わります。トランスポンダーは便名や飛行高度などを自動的に発信するもので、ハイジャックなどではこの2つが必ず切断されます。ハイジャックでなければ、本来の目的地とは違うところに向かうために切断した可能性が考えられます」
阿部祐二リポーター「マレーシアの航空当局は操縦士と副操縦士の自宅を家宅捜査しています。操縦士の自宅からフライトシミュレーターを押収しました」
マレーシア航空機は南シナ海の海上で反転し、マレー半島を横切ってカザフスタンなど中央アジア方面かインド洋の南方に向かった可能性がある。
中国・アメリカは行方把握?裏で激しい外交情報戦
司会の加藤浩次「上空を飛行された国々も分かっていたのではないですかね」
コメンテーターの勝谷誠彦(コラムニスト)「この飛行機の行方については外交情報戦争となりつつあるんです。昔、大韓航空機爆破事件の時に、日本はその動きを早い段階からつかんでいていち早く発表したのですが、国際的な非難を浴びました。以来、各国はなかなか手の内を明かさなくなったんです。マレーシアが通信衛星で確認できたということは、中国もアメリカも当然その行方について知っているでしょう。中国国内のイスラム圏のどこかに向かったのかもしれない」
中国もアメリカもマレーシア航空機の航跡を把握しているが、発表すると軍の偵察能力や監視システムが明らかになってしまうため、明らかにしないということだ。