消息をたって丸9日が過ぎたマレーシア航空370便(乗客・乗員239人)はハイジャックの可能性が濃厚になってきた。マレーシアのナジブ首相は「マレー半島に出る前に機体の通信装置が何者かによって意図的に切断された可能性が高い」と語り、捜査当局は機長の自宅を家宅捜索して操縦訓練に使うフライトシミュレーターを押収、専門家が分析していることが明らかになった。
どこかの滑走路に下りた可能性
ナジブ首相は「マレー半島沖に出る前の午前1時7分と21分にエーカーズ(運航システム)とトランスポーダー(位置通信装置)の2つの通信手段が間隔を置いて切られた。機内の何者かによって意図的に切断されたものだ」と発表した。
さらに、「370便がマレー半島東沖で引き返した後、西に向かいマラッカ海峡を北西へ進み約7時間飛行し続けた可能性がある」ことも明らかにした。
コメンテーターの柿崎明二(共同通信編集委員)は「今どこかに滑走路に着陸している可能性はありませんか」と元全日空機長の前根明氏に聞く。
「その可能性が私らの中でどんどん膨らんできています。マレーシア政府が(相手側と)交渉していることもなきにしも非ずですね。でないと、ナジブさんの通信手段が切断されたという発言と機長の自宅を家宅捜索している話が結びつかない。今までのハイジャック事件ではあり得ないですから」
「370便は上限飛行高度(1万3000メートル)を超えたと分析されているようです。高度を上げると気圧が低下し、乗客は意識不明になりコントロールしやすい。コックピットには酸素マスクがあり、もしハイジャック犯なら少ない人数で機内を制圧しようとしやるでしょうね」
マレーシアの捜査当局者は「テロ、ハイジャック、破壊活動、その他すべてを視野に入れて捜査を進めている」と述べている。
文
モンブラン