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外食・流通「消費税8%」でも値下げ・価格据え置きの苦境

   お次は、もうじき消費税が8%に上がるのに、あえて値下げしたり価格据え置きの「根性企業」が増えているという『週刊ポスト』の記事。たとえば、すき家は牛丼並盛280円→270円。日清食品は「ラ王シリーズ」容器・具材変更で約16%の値下げ。サンリオピューロランドは大人休日4400円を3800円など平日休日ともに値下げする。

   ファミリーマートはサンドイッチのパン5%増量でも価格据え置き。あのサイゼリヤも半数程度の価格を据え置きだという。行かざるを得まい。イオンは半数以上のPB商品で価格を据え置き。無印良品も75%の商品で価格を据え置き。しまむらは一部商品の価格を据え置きにする。

   こうしたことがなぜ起きるのか。経済ジャーナリストの荻原博子氏はこういう。<「給料が上がらず、デフレ脱却は実現していない中、消費増税を価格に転嫁すれば、小売業界は大打撃を受ける。消費増税で喜ぶのは輸出戻し税(企業が製品を輸出した場合、外国の消費者には税金分を価格転嫁できないという理由で、輸出製品の部品や原材料の価格に含まれている消費税分を国が輸出企業に戻す還付金のこと)で巨額の還付を受ける大企業だけ。内需型企業は生き残るために、身を削ってでも価格を下げざるを得ない状況です」>

   昨年6月、消費増税を決めた政府は「消費税還元セール禁止法」を成立させた。だが、岡田元也イオン社長は「国民生活を考えていない」、ユニクロ柳井正会長は「それが先進国か」と反対論が相次いでいる。消費税増税はアベノミクスを崩壊させると、私は思うのだが。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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