瀬戸内海西部の伊予灘で14日未明(2014年3月)に最大震度5強の地震が起きた。はて、南海トラフによる巨大地震の前兆か。気象庁地震津波監視課の長谷川洋平課長によると、地震は午前2時6分、伊予灘の深さ78キロで起きた。マグニチュード(暫定)は6・2。各地の震度は愛媛県西予市5強、松山市、広島県呉市、山口県防府市、高知県宿毛市、大分県佐伯市は5弱だった。
愛媛県内では午前8時までに人的被害の情報は入っていないが、西予市では水道管の破損で道路に水があふれたほか、落石で一時交通止めになるところもあった。広島県内では95歳の女性が倒れたラックで頭を打つなど6人がケガをした。大分市では4か所で水道管が破損し付近に水があふれ、83歳の男性が転倒するなど2人がケガをしたという。
南海トラフ巨大地震とは関連なさそうだが、M7クラスたびたび発生
気になるのは、フィリピン海プレートの沈み込みによる南海トラフ巨大地震との関連性だ。長谷川課長は「フィリピン海プレートが沈みこむ所とは離れた場所で発生しており、直接結びつくとは考えていない」という。地震予知連絡会委員の八木勇治・筑波大大学院准教授がさらに詳しく解説した。
「今回の地震が起きた地域は、過去にもよく発生しているところです。2001年の芸予地震(震度6弱)とまったく同じタイプで、フィリピン海プレートよりずっと中で起きており、南海トラフによる巨大地震との関係はほとんどないと考えています」
これにフリーアナウンサーの八塩圭子が食い下がり、「南海トラフにすぐ近いので繋がっているように見えますが、なぜ(別のものと)いえるんですか」
八木准教授「南海トラフから離れていることや震源地が深く繋がっていないと考えられるからです。少なくとも過去の記録から、マグニチュード7クラスの地震がたびたび起きていることは分かっていて、そう考えるのが自然だと思います」
つまり、南海トラフとはつながっていないが、今回起きた地域はM7クラスの地震が起きている安心できない地域であるということだ。その危険地域の近くに、再稼働を急ぐ中国電力・伊方原発がある。今回は異常はなかったというが、そんなところで原発を動かして安全なのかどうか。