小保方晴子さん「第2の森口尚史」になっちゃうのか…心配になる追い詰められて悲劇的結末

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<「3月9日頃からネット上に『ネイチャー』の小保方論文の『STAP細胞由来テラトーマ免疫染色画像』と、彼女が3年前に書いた博士論文の『骨髄sphere由来テラトーマ免疫染色画像』が一致している、との指摘が出ています。若山さん(山梨大学生命環境学部の若山照彦教授・46=筆者注)にとって、この2つの画像が論文撤回を呼び掛ける決定打となったようです」>

   小保方晴子博士のSTAP細胞疑惑は当初予想されていた以上に広がりを見せている。リケジョの星でノーベル賞も夢ではないと囃された彼女が、第二の佐村河内守事件になりかねないのだ。

   先のコメントは『週刊新潮』に掲載された全国紙科学部記者のコメントだが、『週刊文春』はあのiPS細胞のときに話題になった森口尚史氏を超えるスキャンダルになるのではないかと報じている。

   共同研究者の若山教授は、ネット上のあるブログに小保方氏の論文に掲載されたSTAP細胞の3枚の画像がアップされ、その横に2011年に小保方氏が早稲田大学大学院に提出した博士論文の画像もアップされていたのを見て、両者の画像があまりにも酷似していたため「終わった」と思ったという。

<「これは単純ミスでは説明しきれない。まったく研究の時期が違う写真ですから。しかもこの写真は、STAP細胞は何にでも分化できることを示す、重要な証拠写真だったのです。これを見た瞬間、自分が今まで何をしていたのか、わからなくなってしまったのです」>

   若山氏のもとへ理化学研究所の2人の研究者から連絡が入ったという。「論文を撤回すべきだ」「あなたが今後研究者として生き残りたいならば勇気を持つことが必要だ」というものだった。そこで若山氏は決断し「撤回すべきだ」と声を上げたのである。

   週刊文春によれば小保方氏の近況はこうだという。<「疑惑発覚後、研究室に籠もって再現実験し、その後、『成功した』と聞きました。理研の上層部はそれで安堵していますが、再現を確認したのはもともとの共同研究者であり客観性はありません。

   所内では、『従来の手法で作った万能細胞を、小保方さんがSTAPと勝手に命名して提出したのではないか』との噂もある。もしそうならば、iPS捏造の森口尚史どころのスキャンダルじゃない」(理研関係者)>

   何度も書くが、早く小保方さんは会見を開いて説明をしたほうがいい。そうでないと彼女自身が精神的に追い詰められ、悲劇的な結末にならないか心配である。

佐村河内「開き直り会見」笑っちゃう帰りのタクシーでウソばれ!運転手「私と普通に会話してました」

   本家の佐村河内事件の余韻も収まらない。今週も週刊新潮が佐村河内氏の単独インタビューを掲載し、週刊文春では引き続き新垣隆氏が佐村河内氏の会見に対して反論している。佐村河内氏が会見で「新垣氏が嘘をついている。名誉棄損で訴える」といったことが話題になったが、週刊新潮ではこう語っている。

<「感音性難聴とも診断されている。にもかかわらず、新垣氏は、18年間、私の耳が聞こえないと思ったことはない、という主張を変えません。私はせめてその部分だけでも世間の人に分かっていただけないかと思ったのです」>

   この期におよんでも「私は耳が聞こえない」ということをわかってほしいというのだが、週刊文春は会見を終え帰宅した佐村河内氏を乗せたタクシー運転手にこう証言させ、彼のいい分を一蹴している。<「少なくとも佐村河内さんは手話を使っていませんでした。普通に会話されていたと思います。聞こえていたんでしょうね。私とも会話していましたから」>

   新垣氏はこう批判する。<「佐村河内が行った謝罪は、端的に言えば、『新垣のせいでバレてしまい、結果的に世間を騒がせたことへの謝罪』だった。長年にわたって犯してきた『世間を愚弄する行為』を心から反省している気配は皆無だった」>

   いつの時代にも世間を誑(たぶら)かして金儲けしようとする輩は後を絶たない。泣いた私がバカなのか、だました男が悪いのか~。こうした人間たちの片棒を担いだメディアには精一杯反省してもらいたいものだ。

国際政治で通用しない「河野談話」撤回―「安倍首相は外交の素人」と見られるだけ

   慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の河野洋平官房長官談話(河野談話)をめぐる日韓の紛争が広がりそうである。安倍政権が河野談話の作成経緯を検証するという方針を打ち出したことに強く韓国が非難している。

   興味深いのは、保守系週刊誌の中でも、このことについての論調が分かれていることである。週刊文春は「『慰安婦デタラメ報告書』を独占公開」と題して阿比留瑠比(あびる るい)産経新聞政治部編集委員が批判しているが、要はこういうことである。<河野談話に至る諸調査は韓国側の要請に基づいて始まり、談話の細かい字句・表現に至るまで韓国側のチェックの上で決まった。いわば最初から韓国側が主導権を握っていた『日韓合作』の談話なのである。河野氏は潔く国会の場で、事実を語るべきだ。

   一方、韓国にとっては、宮沢政権という情緒的でナイーブな政権をうまく利用して勝ち取った対日関係における歴史的な外交的勝利だったのだろう。道徳的に日本の優位に立ち、自国の正義を主張するための切り札なのだ。だからこそ、安倍政権の検証方針が許せないのである>

   これに対して、『週刊ポスト』は河野談話を批判しながらも、撤回したら何が起きるのか安倍首相はわかっていないと書いている。週刊ポストは河野談話の見直しをするべきではないと主張しているのではない。その内容には数多くの事実誤認があり、国際社会に旧日本軍が慰安婦を強制的に「セックススレイブ」(性奴隷)にしていたという誤った認識を与えた責任は重いとしている。

   しかし、<ここで最も重要なのは、河野談話の作成にあたって、日韓の政府が文面について事前に交渉行い、外交的妥協の産物として発表されたという指摘だ>(週刊ポスト)とする。

明治政府の不平等条約改正に学べ!政治家の役割は「従軍慰安婦で落ちた日本イメージ」回復

   週刊ポストはさらこう書く。少し長くなるが許していただきたい。<ジャーナリズムや学者が歴史を検証し、河野談話の事実関係を訂正して「誤り」を正していく作業が必要なことは当然だろう。だが、政治家が果たすべき役割と責任は、学者やジャーナリズムのそれとは違う。

   日本政府が日韓関係改善のために河野談話を出した以上は、それが事実誤認であろうと外交上、日本はいったん非を認めたのである。

   安倍首相が河野談話を「なかったことにします」と宣言しても、国内のナショナリストからは喝采を浴びるかもしれないが、国際社会に広がった日本に対する不信や批判が消えるわけではない。それは米国の安倍不信からも明らかだ。

   むしろ、安倍首相が慰安婦問題で真っ先にやるべきことは、一方的に河野談話の文言を見直すことではなく、米国をはじめ国際社会の日本に対する認識を見直させることにあるはずだ。

   そうして初めて、過去の自民党政権の「過ち」を挽回することができる。それは政治家にしかできない仕事である。だが、「歴史認識を見直す」と拳を振り上げるだけの安倍首相の今のやり方をみていると、自分に負わされている責任が何であるかを理解しているとはとても思えないのである>

   まったくその通りというしかない。さらにこう続ける。<安倍首相は明治政府の不平等条約改正の苦労をもっと知るべきではないか。

   明治政府は江戸幕府が幕末の混乱期に米英仏露蘭と結んだ不平等な「安政五ケ国条約」を改正するために、国家を近代化し、法律を定め、欧米列強にものがいえる力をつけながら個別交渉で治外法権などを撤廃させ、小村寿太郎・外相が最後に残っていた米国からの関税自主権を取り戻すまでに50年以上かかった>

   偏狭なナショナリズムで国同士の関係を危うくするのではなく、政治家としてやるべきことがあるはずだというのである。そしてこう結ぶ。<靖国参拝と河野談話見直しは、安倍首相の自己満足を満たしても、それが日本の国益に結びついているとは思えない>

   週刊ポスト、ええこというやんか。

新聞の大本営報道ではわからない「アベノミクス崩壊はもう始まっている」日本だけが株価低迷

   お次も週刊ポストの「日本の大新聞が喧伝する『アベノファンタジー』の大嘘」を紹介しよう。いま安倍政権批判をさせたら週刊ポストほど鋭いメディアはない。アベノミクスはファンタジーだと言い切り、それがほぼ崩壊しかけているのに、それを批判するのではなく助けて大本営発表を垂れ流していると大新聞を激しく批判する。

   週刊ポストによれば、3月3日付の新聞各紙の夕刊は「設備投資4.0%増」と報じた。読売新聞の記事には「財務省が3日発表した2013年10~12月期の法人企業統計によると、金融業・保険業を除く全産業の設備投資は、前年同期比4.0%増の9兆4393億円」とあった。これを読んだ読者は「景気が上向いている」と思い込むはずである。

   しかし、この数字にはカラクリがある週刊ポストはいう。第一生命経済研究所経済調査部の首席エコノミスト・熊野英生氏はこう指摘する。<「実は前年比ではなく前期比で見ると、設備投資は2四半期連続で減少しています。つまり、設備投資は昨年同時期と比べると増えているが、この半年間で見れば減ってきている。ではなぜ昨年比だと伸びているかというと、比較対象となる12年には復興需要やエコカー補助金等の効果で4~6月期が大きく伸びていて、その後は下がっていた。前年より下がった12年後半の数字と比べているから、上がっているだけ。これは前年比の『マジック』なのです」>

   また、厚労省が賃金構造基本統計調査(全国)を発表すると、各紙は2月21日付でこう報じた。<朝日は「短時間労働の時給、微増 男性1円、女性6円増 13年厚労省調査」と、非正規雇用の労働者の賃金が上がったという『いいニュース』をメインに報じている。

   ところが、実際の調査結果を見てみると、むしろ驚くべきは、フルタイム労働者の賃金が0.7%減であり、とりわけ男性が0.9%も減っていることである。

   こちらのほうが、パートタイムの賃金微増よりよっぽど見出しにすべきニュースだと思うのだが、「安倍政権打倒は社是」(by安倍首相)のはずの朝日も、こと景気の記事に関してはやけに政権に甘い。(中略)

   産経(3月5日付)は、経済面で大きく「電機6社ベア実施 パナソニック6年ぶり容認」と題した記事を掲載。電機大手6社がベアを実施する見通しだと伝えた。ところが同じ経済面には下に小さく、「現金給与総額3カ月ぶり減 1月勤労統計」というベタ記事もある。日本企業全体の現金給与が前年同月比で下がったという暗い話題である>(週刊ポスト)

   新聞の景気、経済関連の報道は、マーケット関係者から見ると違和感があると投資顧問会社マーケットバンクの岡山憲史代表は語っている。<「いまの株価は概ね、4~6か月後の経済指標に跳ね返ると見られていますが、現在の株価は不振です。昨年12月30日の大納会に1万6291円という年初来最高値を更新して、その後は低迷。最近では1万4000円台です。

   しかも、先進国で株価が下がっているのは日本だけです。アメリカは、2月27日にS&P500種株価指数が過去最高値を更新したほど。日本はバブル以降、株価は1度も高値更新していない。アベノミクスから1年を経た現在も過去最高値の3分の1の水準が続いているんです。この株価に象徴されるように、景気は鈍化していると考えていいのだが、メディアはそこに言及しようとしない」>

   週刊ポストはアベノミクスについての大新聞の報道は大本営発表だとし、貿易赤字は原発停止のせいではなく、本当はアベノミクスのせいなのに世論調査で世論誘導をしていると難じる。上智大学文学部新聞学科の渡辺久哲教授(メディア調査論)もこういっている。

<「新聞各紙は言論機関であり、極端な話、国民が全員『反対』といっても『これは正しい』というべきで、そういう気概がなければ本当の言論機関とはいえません。世論調査で数字を作って、『国民の6割がこう考えている』からこうだというのでは話になりません」>

   私は、4月からの消費増税はアベノミクスを壊すだけでなく、日本経済を回復不能にまで落ち込ませるのではないかと心配している。みみっちい話で恐縮だが、私は毎日バスで駅まで出ている。片道200円だから往復で400円。これが4月1日からPASMOを使わないと片道210円になる。これぞ便乗値上げではないか。したがって1日20円の負担増になるから、20円×24日(月曜日から土曜日)=480円×12か月=年間5760円増にもなるのだ。これで景気が上向くはずはない。

   神は細部に宿る。庶民は日常の身近なことから世の中を考えるのである。安倍首相はそのことに気がつかない「どうしょうもない人」である。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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