理化学研究所はきのう11日(2014年3月)、イギリスの科学誌『ネイチャー』に掲載された万能細胞STAPに関する論文2本の取り下げを検討していることを明らかにした。いくつかの疑念の中で、とりわけ画像の流用は単なるミスではないとの判断がある。14日に内部調査の結果も発表されるという。
共同執筆者の若山照彦教授にメール「前向きに考えてくれてありがとう」
10日には論文の共同執筆者である若山照彦・山梨大教授が論文取り下げを提案、研究のやり直しを求めていた。根拠は論文に使われたSTAP細胞の画像が、2011年にチームリーダーの小保方晴子さんが早大に出した博士論文の「骨髄細胞からできた筋肉」の画像と同じだったことだ。若山教授は「なぜなのかが知りたい」という。
若山教授はきのう、小保方さんから「前向きに考えてくれてありがとう」といった趣旨のメールを受け取ったという。「小保方さんへの信頼は?」と問われて、「これからの対応次第で変わってくる」と苦しいいい方だった。
この問題では、下村博文文科相はきのう「客観的な研究・調査で再度論文を出すように期待した」と話した。日本分子生物学協会も「作為的な改変は単純ミスの可能性をはるかに超えている」という声明を発表、理研に迅速な対応を求めた。
ただ、論文執筆者14人のうちの1人、米ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授は「ミスはあったが、結論に影響するものではない。論文を取り下げる理由はない」と話していて、取り下げには14人全員の了解が必要という。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト