全聾の作曲家を装っていた佐村河内守氏が先週7日(2014年3月)、騒動以来初めて記者会見に応じた。弁明にこれつとめたが、虚偽を告白したゴーストライター新垣隆に対する恨みは強いらしく、告訴すると息巻いた。
髪を短くしヒゲも剃り別人のような姿で登場した佐村河内は、冒頭で「天地神明に誓って真実を話します」と述べた。その後、話が怪しくなるたびに「天地神明に誓って」を繰り返した。
「新垣さんの言っていることはすべてウソ。名誉棄損で訴える」
作曲については、「絶対音感はありません」とウソを認め、バッハやショパンを弾きこなしたと記した自伝本についても「ウソ本です」と認めながら、「新垣さんが、私がウソの自伝本を書くということを知って積極的に構成に加担したことを明らかにしたいと思います」ともいう。
聴覚については、発覚後に受けた検査で「感音性難聴」と診断され、最良(高)語音明瞭度が右は71%聞こえ、重度でなかったことから障害に該当しないと判断された。耳鼻科の専門医によると、これは「相手がすこし大きく話してもらえれば会話にさほど不自由はない」程度という。
ところが、佐村河内は相手の言葉が曲がって聞こえ、これまでも今も今後も手話通訳は欠かせないと主張。「今まで耳が聞こえないと感じた事は1度もない」という新垣に対し、「新垣さんはすべてウソを言っています。新垣さんを名誉毀損で訴えます」と開き直った。
この会見を現場で聞いていた取材キャスターの奥平邦彦は、「彼が質問者を指名したが、(指名の対象は)これまで仕事を一緒にした人や番組関係者ばかりで、とくに迷惑かけた人には立ち上がって頭を下げるなど、人によって対応が違っていました」という。
共同通信社の柿崎明二編集委員「耳が聴こえる聴こえないは科学的に解明するほかないし、別の問題と考えたほうがいい。(作曲家を装った)根本問題のところで彼が胸を張って主張できることはゼロだと思います」
会見で佐村河内は「バレちゃって大事になり、迷惑かけてごめんなさい」と語ったが、新垣氏がバラしたのが悪いと言わんばかりだった。