東日本大震災からあす11日(2014年3月)で3年目だが、岩手、宮城、福島の被災3県では、まだ約10万人の人が仮設住宅で不自由な生活を強いられている。住宅用地、人手、資材の不足が背景にあるが、需要拡大を見越して土地や資材が高騰しているのも復興にブレーキを掛けている。
被災地ではガレキ処理が終わり、土地のかさ上げ工事が進められている。ところが、災害公営住宅(復興住宅)の建設は遅々として進んでいない。3県で計画されている復興住宅のうち、岩手467戸(計画戸数6038戸の7・7%)、宮城322戸(同1万5608戸の約2%)、福島178戸(同7582戸の2・3%)で、平均3・3%ある。
「用地」「人手」「資材」すべて不足…東京五輪優先でさらの後回し
被災地の広さなどの条件の違いがあるが、阪神・淡路大震災の復興住宅は3年後に37.2%完成し、5年10か月目で計画の2万5421戸すべてが完成していたのに比べると、東日本大震災の遅れはひどすぎる。
そうした先の見えないふるさとでの生活を諦め、内陸の都会へと転出する人も多く、沿岸部で人口の減少が続いている。震災前と比べ人口が減少しているのは、多いところで岩手・大槌町20.8%減、宮城・女川町26.0%減にも達している。
司会の井上貴博アナ「資材不足、人手不足ということですが、今度は東京五輪(関連施設の建設)に持っていかれてしまうのではないでしょうか」
経済評論家の池田健三郎がこんな指摘をした。「優先的に資材、人手を回すなど、国が率先してリーダーシップを取らないとダメですね。市場原理に委ねていると、いろんなひずみが出てきてしまう。果断な対応が求められます」。
岩手、宮城の被災地復興に加えて、福島原発事故の処理とそれだけでも難問山積なのに、東京五輪の開催を抱え結局、虻蜂取らずに終わらなければ良いのだが…。