心臓手術スペシャリスト天野篤・順天堂大教授「神の手」の手入れは爪切りだった

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「このままでは持たない」

   手術室に緊張が走る。それでも、執刀医の天野篤教授(順天堂大学医学部心臓血管外科)は慌てることなくペースメーカーを装着し、患者の動きの弱った心臓の回復を待つ。

   心臓を動かしたまま行う心臓冠動脈バイパス手術のスペシャリストで、「神の手」と呼ばれ、おととし2月(2012年)には天皇陛下の心臓バイパス手術を担当した。「スッキリ!!」は「それまで皇族の手術は東大系の医師が担当し、私立大学の医師が執刀することは異例だった」と伝える。

病院に泊まり込んで年間450件の手術

   普通、心臓外科医が手掛ける手術は年間で40件前後だが、天野教授450件前後に達する。カメラは天野教授を追って手術室に。患者の腕から採取した血管を使って、血流が悪くなっている冠動脈のバイパス手術だ。手術後、天野教授は「患者さんの腕の血管は長くて丈夫でした。明日にはもう歩けますよ」とほほ笑んだ。

   天野教授は指先の微妙な感覚を養うため、ハサミでていねいに手の爪を切る。「神の手」の手入れだ。司会の加藤浩次は「心臓の血管を手術するためには、繊細な感覚が求められるのでしょう。そのために、こうした指先の感覚を鍛えているというわけですか」

   天野教授「手術が終わってから、患者さんと笑いながら話ができるとき、心から手術をして良かったと思いますね」

   毎週、月曜日から金曜日まではほとんど順天堂病院に泊まり込みだという。

文   ナオジン| 似顔絵 池田マコト
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