北陸道バス激突!睡眠時無呼吸症候群患者200万人…専門家「精密検査受けて」

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「起きろ!」

   運転手に呼びかけたが反応はなく、バスはスピードを落とさずガードレールに2度接触した後に駐車中の大型トラックに激突し、運転手と乗客の2人が死亡、24人が重軽傷を負った。きのう3日早朝(2014年3月)、富山県小矢部市の北陸自動車道上り線の小矢部川サービスエリアで起きた事故の原因は、運転手が意識を失っていた可能性がある。

法令・規則すべてクリアしてても…

   このバスは仙台市の宮城交通の高速夜行バスで、2日午後9時45分に仙台駅を出発して、3日午前7時20分に石川県の加賀温泉に到着する予定だった。運転手は2人態勢で、全走行距離573キロを交代しながら運転していた。

   死亡した運手の小幡和也さん(37)にはこれまで事故歴や病歴はなかった。ただ、昨年10月(2013年)に実施した睡眠時無呼吸症候群の簡易検査で「要経過観察」の診断を受けたが、会社は産業医と相談した結果、運転に支障はないと判断し通常業務に就かせていた。

   1昨年4月(2012年)に群馬県の関越高速道で乗客7人が死亡する事故が起きて以来、国土交通省は1人の運転手が夜間に運転できる距離を原則400キロ未満とし、睡眠時無呼吸症候群については以前から検査を勧めるなどの対策を取っていた。今回はそうした対策に則っており、国土交通省は今のところ、勤務状況、健康診断について、明確な法令違反は確認されないといっている。

結果軽く出がちな「簡易検査」

   睡眠時無呼吸症候群の患者は国内に推定200万人いるといわれ、専門家は症状について「無呼吸を繰り返すことによって、睡眠が浅くなって深い睡眠が取れない。疲れて眠い時には一瞬、意識を失うことがあるが、その状態がよく起きるということ」といい、「簡易検査は検査結果が少し軽く出るので、精密検査をして確定診断をすることが大切」といっている。

   司会の加藤浩次「要経過観察というのはどういう状況ですか」

   コメンテーターの香山リカ(精神科医)は「はっきりした無呼吸状態は観察されなかったのでしょう。(運転を続けたのは)本人は問診で昼間は眠くなることはありませんなどと答えていたのかもしれません。ただ、突然眠くなる原因は他にもありますし、心臓発作や脳の発作で意識を失ったかもしれませんので、睡眠時無呼吸症候群はいまのところは有力な可能性のひとつということでしょう」

   ロバート・キャンベル(東大教授)は「関越の事故後の安全基準に沿って運行されていたのに事故が起きました。なにか疑いがあった場合は、即刻、精密検査をするべきです」と厳しく指摘した。

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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