この話、いったい何なのか。東京都内の図書館を中心に「アンネの日記」などアンネ・フランク関連の図書が300冊以上も破られた。伝えるメディアの方も 戸惑っているが、いち早く外国で伝えられ、日本でも心を痛めた人たちの動きが始まった。
都内の書店でも2冊被害
11の図書館で121冊と最も多くの被害を被った杉並区にきのう27日(2014年2月)、在日イスラエル大使館からアンネ・フランク関連図書300冊が贈られた。田中良・杉並区長に手渡したペレグ・レヴィ公使は「卑劣な行為に正統な罰が下ると信ずる」と述べた。各地の図書館にも寄贈が続いている。中には、日本の元外交官、杉原千畝を名乗る人からの137冊(港区中央図書館)というのもあった。第二次大戦中の駐リトアニア領事として、ユダヤ人にビザを発給してナチの迫害から救った人だ。
「アンネの日記」は、強制収容所で死んだ少女の隠れ家での生活を綴った日記だ。世界的なロングセラーだが、ユダヤ人問題の関連図書も多く、今回はそれらが軒並みにやられた。杉原千畝関連にまで及んでいる。きのうは都内の書店でも2冊がみつかった。
誰にも気づかれずになぜできた?
これまでにわかっただけでも、杉並、中野、練馬、新宿など都内8つの市区と横浜で計310冊が破られている。書架から抜き取って一部を破り取り、書架に戻してあった。破り方は複数ページをまとめて引き裂く乱暴なもので、周囲に人がいたら間違いなく気づくと思われるが、現場を見た人はいない。警察が 防犯カメラの解析をつづけているが、写っているかどうか。
司会の小倉智昭も「ひどい事件ですよね」といったが、それっきり。この話はいずれ大きくなる。海外の関心の方が高いからだ。これだけの大量破損を1人でできるものか、どんな思想的背景があるのかと推理のタネは尽きないのだが、「とくダネ!」は踏み込まない。それも煽らないためのひとつの見識か。