ナチス・ドイツによるユダヤ人迫害で犠牲となったアンネ・フランクの本が破られているのが相次いで見つかったが、犯人はどうやって毀損していたのか。16冊破られているのが見つかった練馬区光が丘図書館では、職員が常時いる受付カウンター隣りの書棚にあった英文のアンネ書籍が被害にあっていた。
防犯カメラの死角の多い図書館内部
なぜ多くの人が訪れる図書館で誰にも気付かれず犯行に及ぶことができたのか。現場を取材した奥平邦彦レポーターによると、死角になる書棚が多く、防犯カメラがあっても映らないのだ。静かな図書館で音を立てずに破ることができるのかも疑問だが、最近の図書館は、セキュリティーシステムで手続きを経ずに書籍を外へ持ち出すのは不可能な一方、館内のトイレに持っていくことは自由だという。
それにしてもいったい何を目的に犯行に及んでいるのか。警視庁では捜査1課が杉並署に捜査本部を置き、器物損壊容疑で捜査を始めている。捜査1課は凶悪犯罪を担当する部署で、さらに捜査本部まで置くのは異例だ。ただ、現在のところ複数犯か単独犯かも不明で犯人像も絞られていない。
コメンテーターの与良正男(毎日新聞論説委員)が「卑劣な犯行ですよ。またぞろ政治問題が重なって中国や韓国が日本の右傾化と結び付けて報じている。誤解を解いていかなければいけない」と怒った。
何かのメッセージか?顔写真部分は破らず
司会の井上貴博アナ「アンネ・フランクの顔は破かないようにしたりしていて、メッセージ性があるのではないでしょうか」
八塩圭子(フリーアナウンサー)「そんなことでメッセージを伝えようというのは大間違い。早くつかまえて欲しい」
ハーバー大卒のタレント、パトリック・ハーランは海外での反響に触れ、「反発というか想像を超えてます。アメリカでは『エッ、あり得ない』といった反応です」という。
犯行場所の図書館などがそれぞれ離れ、被害書籍も広範で執拗なことから、政治的意図を持った大人の犯行ということは想像がつく。