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小保方晴子「万能細胞」で週刊誌も捏造疑惑派「現代」「新潮」と擁護派「ポスト」

   普通の細胞を酸性液に漬けるだけでどんな臓器にもできる万能細胞が生まれるという「世紀の大発見」は、小保方晴子さんがカワイイこともあってメディアが飛びつき、世界的な話題になり、彼女が着ていた割烹着の売れ行きまでが伸びたという。科学誌『ネイチャー』に掲載され、世界から賞賛を浴びたが、ネットでは早くから、実験条件が異なるにもかかわらず酷似した画像が出ている「画像使い回し疑惑」が指摘され、捏造ではないかという噂まで出て大騒ぎになっていた。

   先週、週刊文春がいち早く取り上げ、今週は『週刊現代』『週刊ポスト』、それに週刊新潮がやっているが、週刊現代と週刊新潮は「懐疑的」で、週刊ポストは小保方さんに代わって「反論」をしているのが興味深い。それぞれのタイトルは「小保方晴子さんにかけられた『疑惑』」(週刊現代)、「小保方『STAP細胞』を潰せ!『捏造疑惑』噴出で得する人々」(週刊ポスト)、「『小保方博士』が着せられた『灰色割烹着』」(週刊新潮)だが、週刊新潮が断然うまい。

   まずは『懐疑的』な週刊現代から。<素人目に疑問なのは、学会では論文を「間違えました、直します」と言って許されるのかという点だろう>

   そこでカリフォルニア大学デーヴィス校医学部で再生医療の研究に携わる、ポール・ノフラー准教授に聞いている。<「論文に、誤植などの小さな間違いは比較的よくあります。しかし画像の混同といった手違いは大問題であり、過去には論文撤回の理由になったこともある。本当に全体の結果に影響しないか精査しないといけません」>

   さらに週刊現代は小保方さんらが公開すべきデータを正しく公開していないと追及する。<ネイチャーに小保方論文のような分子生物学系の論文を投稿する際は、「実験に使った遺伝子の情報を公開の遺伝子情報データベースに登録する」という規定があるという。

   だが今回の小保方論文は正確なデータの公開が行われないまま掲載されてしまった。これでは研究成果が真実なのか、第三者が検証できないとケンブリッジ大学シルヴァ博士は厳しく批判する。

「データの届け出を行っていないことは最大の問題です。そのデータがあってこそ、世界中の科学者が論文の主張を確認できるのです。この手違いひとつをとっても、論文は発表されるべきではなかったと思います」

   そして人々の疑念を一層深めているのが、発表から1か月近く経ったいまもなお、世界中のどの研究所でも再現実験(追試)が成功していないことだ。

   前出のノフラー准教授も、STAP細胞の発見のニュースを聞いて期待に胸を躍らせ、自ら追試を試みたという。だが、結果は失敗。ならばと自らのHPで世界の研究者に追試の成果を書き込んでくれるよう呼びかけたが、集まったのは期待に反して「失敗」の報告ばかりだった>

   ノフラー准教授はこうもいっている。<「もしSTAPが作成されたことが確かなら――私はそう願っていますが――ほとんどの研究室では再現できないような、非常に難しいテクニックだということでしょう。私は小保方さんたちが、STAP細胞を作る『手順(プロトコル)』に特化した、新しい論文を出すことを期待します」>

   理研もHPのトップに誇らしげに掲げていた小保方さんとSTAP細胞に関する記述を削除したという。<いずれにしても、ことここに至っては、疑念を払拭する道は限られている。形勢逆転のためには、ミスの経緯を明かし、必要なデータを公表する、小保方さん自身の言葉や理研の誠実な説明が必要だろう>(週刊現代)

   お次はやはり「?」をつけている週刊新潮の記事。ほぼ週刊現代と同じような論旨である。<IPS細胞は遺伝子操作を人為的に行うため、改良が進んでいるとはいえ、なおがん化の懸念が完全に払拭されたわけではない。それに対し、STAP細胞は自然の状態のものなので、よりリスクが低い>から「iPS細胞越え」などとのっけからメディアがお祭り騒ぎになったとする。

   最大の疑念は、週刊現代にもあるように、STAP細胞の「追試」がどこもできていないことだ。では、STAP細胞は小保方さんにしか作成できない特殊な産物なのか。この疑念に対し、彼女の共同研究者・若山照彦山梨大教授が反論している。

<「確かに、私も昨年、山梨大に引っ越してからは、一度も再現できていません。しかし、水が微妙に変わるだけでも再現を難しくする要因となる。私が理研にいた時には、彼女の協力のもと、作製できているのを確認していますから、全く心配していません。しかもまだ発表から1か月しか経っていないんですよ。そもそも、今回の我々のミスは簡単な技術と強調しすぎたことです。実際には、酸性溶液で細胞を『半殺し』状態にする際、酸性処理が強すぎると、細胞は死んでしまうし、弱すぎると、必要なストレスがかからない。これを最適な加減で維持するには、小保方さんなりのコツがあるのです。他でなかなか再現されないのは、この習得の難しい手技が文字化できないためです」>

   週刊新潮らしく、<割烹着ドクターだけに、論文には『隠されたレシピ』があるのかもしれない>と書いている。iPS細胞による再生医療を研究する外科医はこういっている。

<「そもそもSTAP細胞は生後1週間~10日という偏ったマウスの細胞でしか作成できていない。それに比べ、iPSはすでに人間の網膜での臨床研究が昨年スタートし、今後、治験を経て、早ければ5~10年で医療現場で実用化されます。現時点で同じ土俵にあげたこと自体がおかしいのです」>

   この2本を読むと何やらハテナマークがつく研究のように見えるが、週刊ポストはそんなことはないと猛然と反論している。小保方さんの論文に向けられた疑惑は4つあるとし、ただし、それらを冷静に分析していくと、少なくとも現段階では、『STAP細胞の発見が捏造』という批判は、完全な的外れであることがわかると書いている。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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