「ブンさん」の愛称で親しまれた元TBSアナウンサーの山本文郎さんがきのう26日(2014年2月)、肺胞出血で亡くなった。79歳だった。柔和な笑顔を絶やさず誰にも好かれる人柄で、ライバル局の日本テレビの「スッキリ!!」もその死を悼んだ。
「東京生まれ東京育ち」なまりがないからとアナウンサー就活
山本さんは「生涯現役」が口癖で、定年後のフリーの期間も入れて半世紀以上にわたりアナウンサー一筋だった。明後日も番組収録の予定が入っていたという。いまのTBSに入社したのは1957年。大学の友人から「お前は東京生まれの東京育ちだから、言葉のなまりが何もないのでアナウンサーのテストを受けたら」といわれ、放送局をいくつか回ったら受かった。NHKにも決まっていたそうだが、結局、TBSに入った。最初は演芸番組を担当していたが、情報番組やワイドショーの司会も務めるようになり、やがて「TBSの顔」といわれるようになった。
視聴者に好かれただけでなく、スタッフや周りの人にも慕われた。芸能レポーターの井上公造は「裏方も出演者のみなさんも、ブンさんのために頑張ろうといっていました。僕なんかの番組も見ていて、この間の質問よかったね、などと声をかけてくれる人でした」と人柄をしのぶ。
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一ツ石| 似顔絵 池田マコト