名古屋駅近くの歩道で車を暴走させて13人に重軽傷を負わせた無差別殺人未遂事件の大野木亮太容疑者(30)の父親は、愛知県警の現職幹部の警視だった。調べに対し、「アクセルを目一杯踏んだ」「殺すつもりだった」「だれでもよかった」と供述しているという。現場のタイヤのスリップ痕からは、アクセルを踏み込み過ぎてコントロールを失い街路樹に衝突したとも見られ、もし通常の加速ならそのまま走り続けて大惨事になった可能性もあった。
肝心の動機については、「簡単に説明できない」「理由はひとつや2つではない」と話している。
祖母、両親、弟みんな別居で自宅に一人住まい
大野木は昨年5月(2013年)から3階建ての自宅に1人で住んでいた。祖父母、両親、弟という6人家族だったが、祖父が亡くなり、母親が親の介護で実家に移り、父親と祖母が別居。弟も独立した。「みんな出ていった」と話していたというが、理由はよくわからない。
近所や知人によると、大野木は温厚で真面目な性格だが友だちは少なかった。大学を卒業した後に転倒して頭を打ったため定職につけず、コンビニや警備会社で働いたが長続きせず、生活費は父親が届けていたという。
これらはきのう24日(2014年2月)にすでにいわれていたことだが、どんな事故で頭部のけがを負ったのか、どんな後遺症があったのかなどの詳細はいっこうに明らかにならない。父親が県警幹部だから捜査官らは事情を把握しているはずだが、個人情報だからか、幹部の子弟だからかいっさい発表していない。
定職に付けなかった「頭の怪我」事故?事件?
竹田圭吾(「ニューズウィーク日本版」編集長)「定職につけないほどの頭のけがとなると、それが何なのか明らかにしないといけないですよね。また、家族の中で何があったかも重要ですよ」
司会の小倉智昭「定職もなくて、親からだけなのか?」
宋美玄(産婦人科医)「そういう息子を残して家族が家を出るというのは普通じゃないですよ」
警察の情報抱え込みはいま始まったことではないが。やはりわかるように説明する必要があるだろう。13人もけがをしてるんだから。それを引き出すのがメディアの役割なのに、井戸端会議じゃどうにもならない。