政府機関が30秒に1回のペースでサイバー攻撃を受け、民間企業800社は1日に3~4億件ものサイバー攻撃に晒されている。政府は24日(2014年2月)、サイバーセキュリティ会議の初会合を開いた。菅義偉官房長官は「ITサービスの向上が期待される反面、これまで以上のリスクが懸念されます」と警鐘を鳴らした。
ヤフー2200万人の会員ID被害、米銀行45億円盗難…
急増するサイバー攻撃実態を反映するように、サイバー犯罪の検挙件数も増加傾向にある。2008年に6321件だったのが、10年に6933件、12年には7334件に達している。ただ、摘発されるのは氷山の一角だ。日本では昨年(2013年)、ネット検索大手のヤフーが最大2200万人の会員IDが流出した可能性があると発表している。韓国でも昨年、銀行などがサイバー攻撃を受け、ATMの使用ができなくなる事態があった。
アメリカでは昨年、26か国の金融機関にまたがったハンキングによる銀行強盗で45億円が盗難にあった。ロレッタ・リンチ米連邦検事は「インターネットを使った地球をまたに駆けた21世紀の銀行強盗だ」と怒りを露わにしている。
サイバー攻撃の狙いは何なのか。情報セキュリティー会社「ラック」の西本逸郎取締役は「分かりやすいのはオンラインバンキングで不正送金をいかに行なうかなど、金銭を目的にしたものが多いですね。パソコンを乗っ取って遠隔操作で内部情報をあさるケースも多い」という。
個人のパソコン、スマホにはウイルスばらまき
サイバー攻撃は政府や企業だけでなく、個人のパソコンやスマートフォンも狙われる。情報処理推進機構技術本部の専門家によると、メールに添付されたファイルを開くとウイルスに感染するケースが増えているという。実在する組織を騙ってメールが送られてきたり、友人を装ってメールが送られるので見抜くのが難しいと言う。
司会の井上貴博アナ「リスクを日常生活でずっと考えないといけない。スマホがこれだけ普及していると、ちょっと怖いですね」
元財務省政務官でコメンテーターの網屋信介は「政府へのハッカーはものすごいですから。セキュリティー分野の人材が不足しているわけですから、国家的に育てていく施策を講じないと」と対応の遅れに苛立っていた。