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消費税アップで景気冷え込み?投資家ジョージ・ソロスは日本株売り

   さて、4月1日から消費税が8%に上がるが、その後の景気はどうなるのか、専門家の間でも意見が分かれている。『週刊現代』は少し前に株は上がり続けると書いたばかりだが、今週は「ちょっと待った」という特集を組んでいる。

   週刊現代によれば、スイスのダボスで開かれた世界経済フォーラムで、世界一の投資家・ソロスが安倍首相と会談したというのである。現地時間の1月22日の午後。マーケットにソロスの「日本売り」の噂が駆け巡ったのは、その会談後まもなくのことだった。翌23日、東京株式市場は朝方こそ買いが入り日経平均株価は上げ基調で始まったが、午後に入ると海外勢とみられる売りが加速し、3日ぶりの反落となった。さらに24日に入ると、市場が開くや怒涛の売りが殺到。東京株式市場ではほぼ全面安の展開となり、東証一部の9割以上の銘柄が値下がりして日経平均はほぼ1か月ぶりの安値に落ちたのだ。

   この背景には、日本株買い・円売りをしてきたヘッジファンドを中心とする海外勢力が、安倍・ソロス会談を機に全く逆の取り引きを加速させていることがあるという。週刊現代は今年1月2日、チェコ共和国のプラハに本拠地を置くNPO「プロジェクト・シンジケート」のウェブサイトにソロスの寄稿文が掲載されたと報じている。そこにはこうある。

<(黒田東彦総裁率いる日本銀行が昨年から始めた)大規模な量的緩和、リスクのある実験。成長が加速すれば金利が上昇し、債務支払いのコストが維持できないものになる。しかし、安倍首相は日本を緩やかな死に処すより、そのリスクを取ることを選んだ。人々の熱狂的な支持から判断すれば、普通の日本人も同じように考えているのだろう>

   「この文面を読めば、ソロスは積極的に日本株を支持していないと読めます」とマーケット・アナリストの豊島逸夫氏が解説している。だが、いよいよソロスが日本株を手放して株安へと雪崩をうつのかと思うと、どうもそうではないらしい。日銀総裁の黒田氏に「秘策」があるというのである。金融対策として、早ければ4月にも日本株を毎年5兆円買い入れると宣言する可能性があるそうだ。

   そうして、週刊現代は<市場と国家の闘いが、いま幕を開けたのだ>というのだが、どっちに軍配が上がるのか、週刊現代はどう見ているのか、今回の記事の中できちんと結論を出して欲しいと思うのは、私だけではないはずだが。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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