浅田真央(23)の代名詞であり切り札のトリプルアクセルに成功したかに見えたが、着氷に失敗して転倒。この瞬間、浅田の上位進出は遠のいた。後半に予定していたコンビネーションジャンプが2回転1回にとどまるミスも重なり、フィギュアスケートの集大成をかけて臨んだソチ五輪でのショートプログラムは16位という不本意な成績でのスタートとなった。浅田真央にいったい何が起きたのか。
直前の練習から不調ありあり
浅田は最終滑走の30番目に登場した。直前が地元ロシアのアデリナ・ソトニコワ選手(17)だった。浅田のライバル、韓国のキム・ヨナ選手(23)に次ぐ高得点をあげ、場内はスタンディングオベーションが起こるほどの興奮状態となり、そのざわめき冷めやらぬ中での演技となった。しかし、これまで数々の大舞台を踏んできた浅田のことだ。会場のせいだけではあるまい。
司会の加藤浩次がゲストの松村充氏(男子フィギュア元五輪選手)に聞く。「浅田選手、これまでこんなことはなかったですよね」
松村「ありませんでした。私もショックを隠しきれません」
原因としてあげたのは、やはりトリプルアクセルで「団体戦の失敗を引きずっていたのではないかと思います。直前の練習でも回転につながらないことが1回あって、その後、団体戦と同じような形になっていた。ちょっと違和感があったのかもしれません」
文
一ツ石| 似顔絵 池田マコト