ソチ五輪でまたメダルが出た。日本時間のきょう18日(2014年2月)未明に行われたノルディックスキー・ジャンプ団体戦で日本は3位になり、長野五輪以来16年ぶりにこの種目でメダルを得た。インタビューでリーダーの葛西紀明選手(41)は初めて涙を見せた。
姉の紀子さん「彼の涙を見たのは子供のとき以来」
日本チームは清水礼留飛(20)、竹内択(26)、伊東大貴(28)と葛西の4人。2回飛んで4人の合計点で競う。飛ぶ順番は若い順になったが、しんがりの葛西が1、2回とも134メートルと最長とチームを引っ張った。
1回目を終えて3位につけた日本は、2回目も順当に距離を出して、最後の葛西でトップに躍り出てメダルを確実にした。残るオーストリアとドイツの成績次第でメダルの色が変わる。オーストリアは過去9連覇している強豪だ。ソチ五輪ではまだジャンプでのメダルはなかったが、レベルは高い。ドイツも実力をつけてきていた。そのオーストリアのエースが飛んだ。さすがに伸びて日本を抜いた。
次がドイツだ。これも130メートル台半ばと距離を出したが、結果はどうか。固唾を飲んで見守る中、ドイツがオーストリアを抜いて1位になった。はじけるように抱き合って喜ぶドイツの4人。日本は3位になった。
しかし、嬉しい瞬間だった。長野五輪のあとスーツや板のルール改正があり、16年間も日本はまったく振るわなかった。4人そろっての会見で、葛西は「嬉しいです。4人で力を合わせてメダルをとれたことが嬉しい」と、メンバー1人ひとりの状況に順番に触れて、「とらせてあげたいと思っていたんで、よかったです」と涙を流した。
姉の紀子さんは「涙を見たのは子どものとき以来」といっていた。そう、葛西は勝っても負けても笑顔を絶やさず、クールだったが、「4人が」と言ったところで感極まった。