メダリストたちのもう一つの夢…羽生結弦「震災復興のためにできることがある」
これより1日前に結果を出していたのが、フィギュアスケート男子シングルの羽生結弦だった。ショートプログラムで初の100点超えのポイントをあげてトップだったが、15日未明のフリーは最初の4回転サルコウで転倒してしまう。以後は調子を取り戻し、後半はすべてのジャンプを成功させて終わった。
ポイントで肉薄するパトリック・チャン(カナダ)が注目された。チャンは最初の4回転ジャンプをきれいに決めて、だれもが「金が決まった」と思った。が、後半のジャンプを立て続けに失敗してしまう。五輪の重圧なのか、魔物なのか。
かくて羽生は見事金メダルを獲得した。競技終了直後は「悔しい」といっていた。ジャンプの失敗のことだ。しかし、きのう未明の表彰式のあとは「これがスタートじゃないか。震災や復興のためにできることがあるのではないか」といった。
仙台出身。練習中に震災に遭い、その後も場所を移しながら練習を続けたものの、被災地のことを考えると一時は「止めなきゃいけない」とまで思い詰めたそうだ。が、彼の背中を押したのもまた、被災地の人たちだった。その絆がこれから動き出す。そんな予感がある。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト