芥川賞作家の山本兼一さん(57)が2月13日(2014年)に肺腺がんのため亡くなった。映画「利休にたずねよ」で原作者と主演の関係だった市川海老蔵(36)は、「私にとりまして山本兼一先生は深くご縁を感じた方でした…」と死を悼んでいる。
映画化にあたり、山本さんは何度も海老蔵にオファーしたが、そのたびに断り続けていたという。「利休居士という凄い方のお役を私なのか…」と思いながら原作を読むと、今までの「厳格で完成された」千利休のイメージではなく、「パッション情熱的な部分や若い頃の放蕩息子」な部分も描かれていた。
「あ! なるほど…そういうことか…」と納得できて出演を決めたが、その段取りの途中に暴行事件を起こしてしまった。それでもなお山本さんは「変わらぬオファー」を出し続け、「私も心が動きまして出演させていただくことになった」という。この作品が父・團十郎との最後の共演となったが、それも「この作品があったからこそ」だといい、突然の死を「とても悲しいです…」と嘆いている。