ソチの複雑な風が阻んだ高梨沙羅「金メダル」運悪く2本とも追い風

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   ソチ五輪スノーボードハーフパイプで中学生と高校生が銀、銅のメダルを獲得した。平野歩夢(15)と平岡卓(18)だ。試合後も、「楽しかった」「メチャ気持ちよかった」とご機嫌だったが、自分の滑りを冷静に振り返る余裕が見てとれた。日本選手には悲壮感漂うメダリストが少なくないが、この2人も、4位で終わったジャンプの高梨沙羅(17)も実に爽やかだった。

ハーフパイプ平野歩夢「史上最年少メダリストとして歴史に残るかもしれないんで嬉しい」

   コースコンディションが悪く転倒者が相次いだハーフパイプのコースだったが、予選1組2番手でスタートした平野はダブルコークを含む6回のジャンプを危なげなく決め、いきなり92.25点の高得点を出した。予選2組の平岡も1回目で平野と同じく92.25点をマークし決勝進出を決めた。

   日本時間12日未明(2014年2月)行われた決勝では、優勝したスイスのポドラドチコフの94.75点には及ばなかったものの、平野は1回目のミスを修正して2回目は93.50点にアップして銀、平岡も92.25点で銅を決めた。

   平野は「緊張もしないで楽しかった。史上最年少メダリストとして歴史に残るかもしれないんで嬉しい」、平岡は「まだ実感はないですが、目標にしていたメダルが取れてメチャ嬉しい。満足ではないが、自分の滑りがアピールできたとおもいます」と飄々とした印象である。

   片山善博(慶応大教授)「われわれの感性とは違いますね。プレッシャーを感じなかったのかと思いますよ」

「オリンピックに戻ってこれるようもっともっとレベルアップしいきたい」

   同じころにジャンプ女子の競技が行われていた。4位に終わった高梨は「どの試合も変わらず飛んだつもりだったんですけど、やはりどこか違うところがあるなと感じました。またオリンピックに戻ってこれるようもっともっとレベルアップしいきたいと思います」と涙がこぼれるのをこらえながら話した。

   なぜ4位だったのか。ノルディック複合で五輪3大会出場経験のある高橋大斗が疑問に次のように答えた。「ソチ入りして調子はよくなかったんですが、それでも技術的には他の選手より優れていて勝てると思っていました。原因は風向きです。ソチの風は変わりやすい。他の選手は2本のうちどちらか1本はジャンプに有利な向かい風だったが、高梨選手は2本とも追い風だったんです。追い風のハンディは得点に配慮されますが、それでは追いつかない。技術力、精神力は完璧だったのに運が悪かったとしかいいようがないです」

   野村修也(弁護士)「ひと言も風向きのせいにしなかったのは素晴らしい」

   言い訳しないのは、心の中では「私が世界でトップ」と自負しているからだろう。

文   モンブラン
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