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「ふなっしー」年収1億5000万円!税金対策でちゃっかり法人化。ゆるキャラ交流参加は交際費

   『週刊新潮』から2本。1月27日(2014年)、北海道・札幌市で起きた9歳の女の子の行方不明事件は最悪の事態も予想された。2月2日に少女の自宅と350メートルしか離れていないアパートに1人で住む松井創(26)が監禁容疑で逮捕され、少女も彼の部屋から無事保護された。

   2013年の犯罪白書によると、検挙者の中で再犯者が占める割合は45.3%もあるという。では、この容疑者、有罪になればどれぐらいの刑になるのか。元最高検検事で筑波大学名誉教授の土本武司氏の説明によれば、<「今回の事件は未成年者略取・誘拐および監禁の罪にあたります。観念的競合関係、つまり一連の流れの中での犯行であり、いずれか罪の重いほうが適用されますが、どちらの罪も懲役3か月以上7年以下です」>

   週刊新潮は最高でもたった7年で娑婆に出てしまっていいのかと疑問を投げかけるが、私にはこの刑が重いのか軽いのか、判断しかねる。

   週刊新潮らしいのは「船橋市の高額納税者に出世した『ふなっしー』の確定申告」という記事である。通常、ゆるキャラは確定申告なんかしない。彦根市の「ひこにゃん」や、熊本県の「くまモン」などはいずれも公認キャラで、活動は自治体の広報の一環だ。

   一方、莫大な利益を生むミッキーマウスやキティーちゃんは企業活動の一部だからである。ふなっしーも千葉県・船橋市の非公認キャラ、すなわち個人が勝手にやってるもので、中の人は1人しかいないから税金がかかるというのだ。

   ブレイク前から親交のあった某ゆるキャラ仲間は、ふなっしーの生い立ちをこう明かす。<「震災で彼の店も収入がガタ落ちし、通販を始めるべく、パソコン教室に通い始めた。そこで、『船橋をPRするサイトを作る』という課題が出て、彼が思いつきで作ったのが『ふなっしー』なのです」>

   昨年末のNHK紅白歌合戦にも登場するなど露出は右肩上がりで、お菓子や玩具など関連グッズもめじろ押しとなっているから、いったいいくら稼いでいるのだろうかと、これまたお節介を焼く。経済アナリストの森永卓郎氏がこう算盤を弾く。

<「イベントは、新商品発表など非公開分も含めて年間300本。これが1本30万円として9000万円。テレビ等出演料が4000万円。グッズのロイヤリティなどで1000万円。それにCDやDVDなどの印税を加えると、安く見積もっても1億5000万円近くになります」>

   気になる確定申告だが、実はふなっしー、税金対策のためか、ちゃっかり法人化していたというのだ。ふなっしーの中の人はこの法人から役員報酬を得る形なっているらしい。だが、税理士の話によると「いずれにせよ半分程度は税金で持っていかれます」というのだ。経費はほとんどなさそうだが、ゆるキャラ同士の懇親会は交際費として認められるそうだ。ゆるキャラも当たればでかいのだニャン。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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