寝不足で朝が苦手な子供が増えている。国民の平均睡眠時間は先進18か国中最低レベルで、30年前と比べると夜10時以降に寝る子供が大幅に増えているという。
「東北大学の瀧靖之教授のグループが5歳から18歳までの子供290人の睡眠と脳関係を調べました。その結果、睡眠が少ない子どもは、脳内の海馬という記憶をつかさどる部分が小さく、将来アルツハイマーになりやすいことがわかりました」と中谷文彦アナが伝えた。
きょうだいに伝染する「リズム障害」
子どもの睡眠不足で悩む郁子さん一家は夫婦と3人の女の子(中3、中1、小2)の5人暮らしだ。3姉妹が寝不足になったのは長女の寧音さんが中学校に入学してからだった。長女が塾から帰って来るのが夜10時、夕食をとってから深夜0時まで勉強をして就寝するが、寝付かれず「寝たのは1時半でした。ほぼ毎日この時間です」と話す。
次女の天音さんも「遅い時は1時半で眠れなかったりします」
小学生の密音ちゃんまでが「11時か12時くらい」と姉たちにつられて寝るのが遅くなっている。
「これではリズム障害になる」と国立精神・神経医療センターの白川修一郎氏が生活指導に訪れた。リズム障害とは夜更かしなどで睡眠のリズムが狂い、日常生活に支障をきたす病気だ。白川先生は一家全員の生活と就寝時間をアドバイスした。「お姉ちゃんがまずいのは塾に行く前の昼寝。1時間半も寝たらかえってボーとします。昼寝は15分で起きること。夕食は塾に行く前、夕方6時に食べて、塾から帰ったら直ぐに入浴して11時に寝たら、2時間余分に睡眠がとれます。そのためには、お母さんは夕食の準備を早くしてあげて、ご自身も12時半には就寝の癖をつけて下さい。最初から一気にいくのでなく、1週間で30分アップ、次の1週間でもう30分アップぐらいのペースで1か月かけて改善して下さい」