札幌市内で監禁されていた小3女児(9)の保護につながる通報をしたのは、松井創容疑者(26)を乗せたタクシーの61歳の運転手だった。不審に思ったのはまず服装、次が荷物、とくに4冊の少女向けマンガ雑誌だった。しかし、決め手は「雰囲気」で、異様だったと運転手は話している。
「寒いのにジャンパー1枚。両手に4冊も少女マンガ。中身不明の段ボール箱」
運転手は2日午後0時半すぎ(2014年2月)、ショッピングセンターの専用無線電話で送迎の要請を受け、若い男を乗せた。男はスエットの上下だけだった。当時、気温はマイナス1度。「この寒いのにジャンパーも着てないで」と違和感を持った。男はカートで段ボールを5個、両手のビニール袋に計4冊の付録つきの少女マンガをもっていた。「変じゃないか。4冊もいっぺんに買うか?」。さらに、段ボールを積み込もうとすると、ひとつは重かったが、他は中身が入っているのかとおもうほど軽かった。
変だなと思い、降ろしてから再び戻って(アパートの)名前を確認して午後2時頃、警察に通報したという。「決め手は?」と聞かれ、運転手は「雰囲気です」と話す。
松井のアパートは捜査の聞き込みの範囲外だったという。警察はアパート付近の防犯カメラの映像で、若い男の後をついていく女児の姿を確認し、午後7時ごろアパートから出てきた松井に職務質問した。
「女の子はいるか?」
「いない」
「確認させてほしい」
「いいですよ」
女児はパソコン机で折り紙を切っていたという。少女マンガの付録だったのか。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト