スイスのローザンヌ国際バレエコンクールの決勝(2014年2月1日)で、日本人高校生の男女が1、2位を独占する快挙を成し遂げた。このコンクールは15~18歳が参加できる若手バレエダンサーの登竜門として知られており、日本人が優勝したのは菅井円加以来12年ぶり、日本人男性の優勝は25年ぶりだ。日本人男性は6位にも入賞しており、いまや日本は世界の「バレエ大国」といえる。
母親「続けさせるの経済的に苦しかった。でも、本人がとにかく夢中で…」
優勝したのは長野県の松本第一高校2年の二山治雄さん(17)、2位には横浜翠陵高校1年の前田紗江さん(15)が入った。福島県出身でモナコ・モンテカルロ在住の加藤三希央さん(18)が6位入賞した。
二山さんは4人兄弟の末っ子で、小学1年生の時にバレエを始めた。父親が病に倒れ、経済的に苦しい時期もあったようで、母親は「いつバレエをやめさせるか、何度も思ったことがあった」と話す。それでも続いたのは、「なにがあってもバレエで、踊りながら歩いたり、広い店に入れば回転したりだとか…」という、本人のバレエに対する執着だったようだ。
バレエを始めたころに通っていた「静バレエ・アート」の大池静代表は、「体が女の子より柔らかくて、足も180度以上開くぐらいの柔軟性あるお子さんでした。それに、とても真面目でした」という。
小学5年から現在まで長野市にある「白鳥バレエ学園」に通い、今回のコンクール直前までの半年間は連日午前2時ごろまで練習し、仮眠を取ってから高校に通う毎日だった。
白鳥バレエ学園の塚田まゆり講師は「(スイスへは)午前5時半出発だったんですけど、直前の午前2時ごろまでレッスンし、仮眠を取って成田に向ったんです。そこまで突き詰めてやっていました」と語る。