田中将大ヤンキースで何勝できるか?試算してみると「松坂大輔より上、ダルビッシュより下」
ヤンキースへ7年契約で年棒総額1億5500万ドル(約161億200万円)で移籍した田中将大が大きな話題を呼んでいる。だが、この金額に見合う仕事ができるのか。週刊文春は「ノルマは最低22勝」だとして、不安材料を出している。
<昨年の日本シリーズでは第六戦で百六十球を投げた翌日にリリーフ登板するなど、田中の使われ方はメジャーでは考えられないものだった。昨年の登板回数は二百十二回。十九勝を挙げた十一年も 二百二十六回三分の一と二百イニングを超えたが、翌年は成績が十勝と大幅ダウンしているのが不安点の一つだ。加えてこの酷使による故障リスクを指摘する声も少なくない>
スポーツ紙のベテラン記者がこう語る。<「アメリカでは年俸の安い選手は、ほとんど結果責任を問われない。しかし高年俸の選手はその報酬に見合った結果を求められ、ダメなら激しいバッシングに晒される。田中は1年目からこれまでの日本人選手が経験したことのない大きな重圧を背負ってマウンドに立つことになる」>
また、田中お得意のガッツポーズはメジャーでは論外だともいう。<「ただでさえヤンキース戦はどのチームも闘志を燃やして向かってくる上に、この契約で田中はメジャーの打者の標的になるのは確実でしょう」(先のスポーツ紙記者)>
では、どれぐらいの勝ち星が計算できるのか。私が試算してみた。メジャー入りした松坂大輔、ダルビッシュと比較してみる。松坂は西武に8年在籍、ダルは田中と同じ7年在籍してから大リーグへ移っている。通算成績は松坂108勝60敗、ダルが93勝38敗、田中が99勝35敗。防御率は松坂が2.95、ダルが1.99で田中は2.30。自責点は松坂が459、ダルが281、田中は336。三振奪取は松坂が1355、ダルが1250、田中が1238。被本塁打は松坂112、ダルが58、田中が66。完封勝利は3人とも同じ18である。
移籍先のチーム力の違いを考慮に入れなければ、数字から見えてくるのは、田中の力は松坂よりも上だがダル(自責点1点台というのはすごい)よりも下ということであろうか。1年目に松坂は15勝、ダルは16勝しているから、15~16勝というのが妥当ではないだろうか。それよりも、25歳の若さでそれだけのカネを手にした田中の今後が心配ではある。